スマートフォンの2022年の世界の出荷台数は、14億3000万台と予想されている。これだけでもすごい数だが、既に毎年同程度の数のスマートフォンが販売されて世界中で稼働しているから、スマートフォンの数は、その何倍にもなる。少し古い数字だが2020年末の段階で、世界の人口の78.05%がスマートフォンユーザとなっているという。
世界のスマホ契約数は、2021年時点で62.3億と推定されている。この数字は2027年には77億まで上昇する見込みだ。スマホは、すでに通話などのコミュニケーションの手段ではなく、支払い、カメラ、音楽再生、ゲーム、仕事のツールなどの機能も含めた生活の必需品となっている。人口の78.05%と言う事は、スマホがないと生活ができないと言うのは世界中共通と言うことだ。むしろ、発展途上国では、通信インフラとして携帯電話基地局だけが整備されているケースが多いために、スマホだけだインフラという国も多い。
このスマホのOSは、現在では、iOS(iPhone)とAndroidに絞られている。2022年第3四半期では、Androidが71.1%、iOSが28.3%となっている。
スマホのメーカーとしては、Android陣営のSumsungとAppleがトップ争いを行い、1位、2位がよく入れ替わる。Android陣営の他のメーカーとしては、OPPO. Xiaomi vivoが上位に来る。Huaweiは2020年までは上位にいたが、米中対立に巻き込まれた結果、2021年以降は上位から転落している。
メーカーの顔ぶれを見ると、韓国・中国と言うことになる。iPhoneはアメリカのAppleの商品だが、製造は台湾・中国で行われているために、世界の何十億というスマホは、アジアで作られている。
世界的に見ると、OSとしてはAndroidが圧倒的に優勢であるが、日本だけは異常なマーケットとなっている。2022年6月段階の姿を見ると、日本のiOSのシェアは64.8%、対してAndroidは35.1%しかない。Androidの世界のシェアは71.1%だが、日本では半分しかないと言うことだ。この世界的な傾向から見て異常なiPhoneのシェアがどこから来るのかよくわからない。
最近、母が4Gガラケーからスマホに替える言うので付き合った。周辺が全員iPhoneと言うこともあり、iPhoneを考慮したが、在庫がなく予約と言われた。中国の工場で起こった問題で、予約しても入荷が1ヵ月先か、もっと先かも分からないということで、Android端末になった。
その設定ななどのために、初めてAndroid端末を触ったが、基本的に大きく変わることがなく、違和感なく使える。自分で使う端末も、どちらのOSでもいいような気がする。ただし、PCやタブレットでAppleの製品を使っているので、iCloud、AirDropやメモの共有などのためにiPhoneからAndroidに変更する事は難しい。そもそも変更するつもりも予定も無い。私のようなケースは、AppleのPCのシェアを考えても少ないはずだ。
では、なぜiPhoneのシェアが高いのだろうか。日本人はいちど決めたことを変えるのが嫌いだから、iPhoneのシェアが高いのかもしれない。最初に携帯電話市場を大きく変えたのはiPhoneでだった。iPhoneからスマホを使い始めた人が多いはずだ。それ以来、替える理由がないということかもしれない。変更の際に、最初からすべての操作を覚えることは、億劫だ。これが、ブランド・スイッチの心理的なコストとなり、Andoroidへの変更が起こらない理由だ。
もう一つの理由は、古くからのAppleのブランドイメージだろう。日本人はブランド好きとして知られる。実用性や価格を考えず、ブランドだけで決めているかもしれない。
あるいは、母のケースのように周辺にiPhoneが多いからiPhoneということもあるのだろう。同じOSであれば使い方などを相談できるから、同じOSのiPhoneにということだ。
しかし、機能面では、iPhoneでもAndroidでも大きな違いは無い。しかも在庫が無いことや、昨今の円高でiPhoneの値段は大幅に値上げされている状況考えると、今後もう少し日本でもAndroidのシェアは高まる可能性があると考えられる。
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