W杯優勝賞金高騰の理由

by Shogo

今朝もサッカーの試合はない。明日の3位決定戦まで休みだ。決勝戦も当然だが、三位決定戦も面白い組み合わせで、良い試合になりそうな予感がする。

だが、現時点の最大の興味は、フランスが連覇を果たすのかどうかだ。あるいは、アルゼンチンが1986年以来の3度目の優勝か。世界最高のプレイヤーと言われるメッシ が、最後のワールドカップを優勝で飾れるのか。

フランスが連覇を達成すれば、イタリアとブラジルについて三ヶ国目となる。イタリアは1934年と1938年に、ブラジルは1958年と1962年に優勝している。もしフランスが今回優勝すれば、1962年以来、60年ぶりの連覇達成となる。

この60年間に連覇達成に近づいたのは1990年のアルゼンチンと1998年のブラジルだけだ。1990年イタリア大会で1986年メキシコ大会優勝国のアルゼンチンは決勝まで進み、ドイツに破れている。今回のメッシ のようにチームの中心となっていたのはマラドーナだった。当時、キャリアのピークにあったマラドーナがいても連覇は難しかった。

ブラジルは1994年のアメリカ大会で優勝した後、1998年フランス大会で決勝まで進んだが、ジダンを中心とするフランスに破れている。この時は、開催国のフランスに地の利があったということなのか。

前回大会の優勝国が決勝まで進んだのは92年の歴史の中でこの2カ国だけである。

それ以外では、準決勝まで進んだチームが3、準々決勝まで進んだチームも3、決勝トーナメントの一回戦のラウンド・オブ・16敗退が1。最も多いのは一次リーグ敗退が8チーム。本大会に出場できなかったチームも1ある。

この歴史を見ても、連覇がいかに難しいのかをよくわかる。過半数が一次リーグの突破ができていないのだ。やはり4年も経つと選手も入れ替わり、相手チームの状況も全く変わってくる。

果たして、今回のフランスはどうなるのか。ムバッペ、グリーズマン、ジルーといったスターが揃っており、個人的にはフランスに分があるように見える。メッシ に勝たしてあげたいような気もするが、難しそうだ。しかし、サッカーはやってみなければわからないと言う事は、日本代表が示してくれた。どちらが勝つにせよ、良い試合になるだろう。

今回の優勝チームは優勝賞金の4,200万ドルを受け取る。これは前回大会の3,800万ドルから1割以上も増えている。ワールドカップの優勝賞金は各大会ごとに着実に増えてきている。優勝賞金を過去に遡ると、2010年ブラジル大会では3,500万ドル、2010年南アフリカ大会では3,000万ドル、2006年ドイツ大会では2,000万ドル。

2006年以降がかなり高額だが、それ以前は、驚くような金額ではない。2002年日韓大会は800万ドルと、いきなり少額だ。1998年フランス大会は6,00万ドル。これを見ると2006年ドイツ大会がターニングポイントだった。

この現象の理由の1つは、確実にFIFAのビジネスモデルの変更だ。1998年フランス大会までは、FIFAはサッカーの普及のために放送権を低額で主に公共放送に販売する方針をとっていた。アフリカなどの途上国には無料にしていた。しかし、フランス大会終了後に放送権の値上げを決めて、2002年と2006年大会の放送権の一括入札を行い、いきなり放送権の金額は10倍を超えた。

この裏には、FIFA執行部とUEFAの対立があり、放送権の安売りを行なっているというUEFAの主張を受け入れた結果の方針変更だった。この結果、FIFAには、放送権収入と言う多額の資金が流れ込んだ。その結果が、優勝賞金の2006年以降の大幅増額と言うことであろう。

週末にはこの優勝賞金4,200万ドル受け取るのはフランスなのか、アルゼンチンなのか。

弾丸ツアーで、スペイン戦を見に行った友人からお土産を頂いた。行く前は、負けると分かっている試合に行くと周辺から馬鹿にされたそうだ。あの試合の会場にいられるなら、カタールへの弾丸ツアーも問題ではない。

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