検索・ブラウザ戦争が始まる

by Shogo

MicrosoftがオープンAIの人工知能を搭載した新しいBingとEdgeを公開した。Microsoftの検索エンジン、BingはGoogleの検索エンジンにはるかに離れた2位である。そのシェアは1桁だ。Googleが90%のシェアを持っているのに比べて存在しないに等しい。ブラウザのEdgeも、Google Chromeの60%に対して25%程度のシェアしかない。PCのWindows OSのを独占的地位や業務用ソフトウェアのMicrosoft Officeの利用状況を考えると、考えられないほど低い。有利な立場にありながら、検索とブラウザでは、Googleに遥かに置いていかれている。私も、どちらも使ってはいない。

Microsoftは人工知能研究所のオープンAIに1兆円を超える投資を行い、業務提携している。今回オープンAIの技術を使って、BingとEdgeのパワーアップを行った。Bingには今話題沸騰中のChatGPTの下で動いているGPT-3ではなく、最新バージョンのGPT-4が動いているとも噂されている。この新しいBingとEdgeが、今週、Microsoftでお披露目された。

デモで見た新しいBingとEdge は、良い意味で驚きだ。ChatGDPでチャット型の検索機能に慣れてきたので、今回発表されたEdgeのインターフェイスは、非常に新鮮で、使ってみたいと思った。

それはEdgeのインターフェイスは、通常の検索とGPTのチャットのハイブリットになっているからだ。検索をすると、左側に通常の検索に対応する候補のサイトのリストが表示される。そして、画面の右側にGPTが自然な文章で回答する。

ここで今回のBingが優れているのは、ChatGPTであれば、ChatGPTが生成する回答のだけしか表示されないが、Bingではその回答した根拠となるウェブサイトへのリンクが表示されるために確認したければ、そのサイトを参照することが容易になる。ChatGPTは便利なのだが、その回答の内容を確認したりしようとしても出典がわからないためにそれができなかった。

またEdgeのデモでは、搭載された人工知能が様々な要求に応えてくれる。例えば、その情報の要約であったり、追加の情報を求めるなどに対応可能だ。Microsoftのデモでは、Gapのサイトにアクセスして最新の決算データを表示させた。そして、その要約を依頼するとすぐに要約が表示され、さらに別のアパレル企業のとの比較を依頼すると、すぐに比較表が表示された。このようなことが簡単にできるのであれば、すぐにでもブラウザをEdgeに変えたい。

現時点では試験運用のために一般の利用はできない。すぐに使用開始したくて、ウェイティングリストに登録をした。現時点では、一般への公開の時期は公表されていないために、とりあえず気楽に待つしかない。

デモを見ると、新しいBingとEdgeは十分に競争力を持つ検索エンジンとブラウザになっている。これが今のChatGPTの人気のように広がれば、長らくGoogleの独占状態だった検索やブラウザのマーケットは大きく変わる。

当面は、BingはEdgeでしか利用できないが、しばらくすると、他社のブラウザなどでも利用できるようになるらしい。検索のシェアが大きく変わる可能性がある。

Googleが検索連動型広告で支配している10兆円を超える検索広告収入については、Microsoftの新しいBingとEdgeで初めて競争相手が生まれたと言えるかもしれない。

しかし、Googleも黙ってはいないだろう。詳細は不明だが、既にBardと呼ばれるAIチャットボットの近日中の公開を発表している。これがどのような使い勝手でどのような機能があるのか。長らく続いたGoogleの独占がどのようになるのか、久々に検索の市場が面白くなってきている。

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