アメリカでは、安全保障上の脅威という理由で、TikTokの禁止かアメリカ企業への売却と言う声が政治家を中心に大きな動きとなり、止みそうもない。CEOの公聴会への出席後もさらに動きが加速している感じもする。
しかしながら、広告主や広告業界は政治の動きとは関係なく動いているようだ。Sensor Towerが調べたデータによれば、TikTokへの広告主の広告出稿は3月に11%増加していると言う。TikTokへの広告出稿の上位にはApple、Pepsi、DoorDash、Amazonなど大手広告主が名を連ね、政治の動きとは無関係なようだ。また、The Financial Timesの報道によれば、大手広告会社は、TikTokへの広告出稿量を引き下げるようには助言していないと言う。
広告業界だけではなく、ユーザも政治の動きとは無関係のようだ。TikTokのユーザ数も好調に伸びており、一般のユーザも政治の動きには無関心のようだ。だからこそ、広告主も安心して広告出稿を続けられるだろう。
やはりThe Financial Timesに寄れば、公聴会の後で、TikTokは広告主にメモを送り、アメリカのデーターは全てテキサスにあるオラクル社のサーバーに保管していることを説明して、中国共産党への情報流出の危険性は無いことを強調したそうだ。
しかしながら、政治の動きは、全く先が読めない。本当にTikTokを禁止すると言うような動きをワシントンは行うかもしれない。それは米中対立に、決定的に拍車をかけることになるので、それが起こるとすれば別の事件への対抗策として起こるのだろう。何か事件が起これば、禁止は本当になる可能性もある。
政治の流れとは別に、短い動画の人気は止まることがない。TikTokが切り開いた、この市場にMetaのReelsやGoogleのYouTube Shortsが参入して、どちらも好調だ。特に、GooleはYouTubeの成長が頭打ちだからYouTube Shortsに期待しているだろう。仮に、何か事件が起こって、TikTokが本当に禁止されるようなことになれば、この2社は大きな恩恵を受けることになる。
新学期が始まった。感染症対処措置は全て廃止されたために、座席指定もマスクの着用も個人の自由に任されている。しかしながら、100人少しの授業で見る限り、マスクを外している学生は皆無だった。初日と言うこともあるが、過去3年間、毎日マスクをしている習慣が身に付いているので、直ぐに外すのは難しいのかもしれない。特に学生は授業中に喋るわけでないので、マスクをしていなくても問題はないと思うが、着用する必要がないととも言わずにおいた。個人の自由だから。明確な理由もなく、何かを強制するのは論外だが、示唆も避けるべきだろう。