今日はレコード・ストア・デー

by Shogo

今日はレコード・ストア・デーだそうだ。レコード・ストア・デーは、サンスランシスコで2007年から始まったイベントで、毎年4月の土曜日と11月のブラックフライデーに、レコード店の文化のために開催されるという。各地でレコード店が、様々なイベントを行うそうだ。サンフランシスコのレコード店の集まりから始まったイベントだが、今では世界中に広がり、日本でも開かれる。ちなみに、今年は4月22日でアース・デーでもある。

近年、音楽の消費はパッケージのビニール・レコードやCDからダウンロードを経てストリーミングに移った。多くの人がSpotifyやAppleMusic、Amazon Musicなどのストリーミングで聴いている。その理由は、ストリーミングを使うようになってからよくわかった。CDは、今まで買ったものが大量にあるが、CDのディスクを探して、ケースからディスクを出して、それをCDプレイヤーに入れろと言う手間がもはや耐えられなくなってしまったのだ。

今契約しているのはApple MusicとAmazon Musicだ。Spotifyもアカウントは持っているが、無料会員なのでほとんど使わない。レコードは実家の箱に入ったままだし、もはやレコードプレイヤーを持っていない。CDもほぼ使わなくなった。

ストリーミングであれば、手元のスマホから、次の曲を呼び出して、すぐに聞くことができる。そして、好きな曲ばかり、集めたプレイリストを作っておいて、長い時間、好きな曲だけを聴くことができ手間は全くかからない。その便利さを経験してしまうと、もはやパッケージには戻れない。多分多くの人がそうなのだろう。

しかし、このところアメリカではビニールのレコードの人気が高まっている。多くのアーティストは、新作の発表の際にビニール・レコードも発売するようになった。ただし、これはある一定以上の人気のあるアーティストに限られ、誰も、彼ものレコードのアルバムが売れると言うことでは無いようだ。

これは、再びビニールアルバムの人気が高まっているからのようだ。アナロク音源回帰現象ともいうべきか。

アメリカでは2022年に発売されたレコードは4,100万枚で、レコード・ストア・デーが始まった、2007年の130万枚から大幅に増加した。一方、CDアルバムは2007年の5億枚から減少を続け、わずか3,340枚となった。1987年以来、初めてレコードがCDの売上枚数を上回った逆転が起きたのだ。

これはデジタル音源はストリーミングに置き換えられたが、アナログ音源に回帰する人がある程度は増えたということなのだろう。ただし、音楽の需要全体から見れば、パッケージ全体で10%未満のわずかなもので、今後、レコードが音楽消費の重要なフォーマットになる事は無い。

ある友人は、高価なアナログアンプと巨大なスピーカーでレコードのアナログの音の良さを味わっている。招かれた際に聞かせてもらったが、その音の違いは、巨大なスピーカーの違いとしか思えず、音源がデジタなるかアナログなのかの違いについてよくわからないと思った。

昔、放送の仕事をした際に、音楽のデジタル放送の際のサンプリング・レートを決める調査を行った。サンプリング・レートによって。与えられた帯域で何チャンネルの放送ができるかどうかが決まってくるからだ。ほとんどの人は、サンプリング・レートを細かくとった音源であっても、広くとった音源であっても、違いを聞き分けることができなかった。私を含めて、ある一定以上の基準を満たしていれば、音の違いを聞き分けるのは難しい。

アメリカでは急速にアナログのレコードが回復しているが、日本の状況は少し違っている。2020年の日本レコード協会のデータによれば、CDの販売枚数は8,896万枚で、レコードはわずか。122万枚に過ぎない。これはアメリカが急速にストリーミングが進んだのに対して、日本はまだまだCD中心の音楽消費形態をとっているからと思われる、

デジタル音源がアメリカではCDからストリーミングに完全に移行した一方、日本では、まだストリーミングはそれほど浸透していないためと思われる。アメリカと違い、金額ベースの音楽の売上では日本ではまだパッケージが40%程度ある。

日本もストリーミングをさらに普及すれば、CDの存在価値はなくなり、アナログのレコードの復権の日も来るのかもしれない。

今日はレコード・ストア・デーでアースデー。明日は予定が入ってしまったので、暇な今日はどこかにストリーミングで音楽でも聴きながら出かけよう。坂本龍一が亡くなって以来、このところずっと坂本龍一の曲を聴き続けている。持っていないCDの曲もすぐに聴けるのが、ストリーミングの重要な魅力だ。

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