人工知能(AI)が大きな話題となって、まだまだ終わらない。このブームで、各社が様々なサービスを発表したり、既存のサービスにプラグインで組み込んで、ブームに乗っかろうとしているようだ。おかげで、メタバースやブロックチェーンの話はどこかに消えてしまった。
ChatGPTは、今年の初めに利用者が1億人を超えたことが話題になった。しかし、たくさんの人が使っているのかと思ったが、そうでもないようだ。Statista Consumer Insightが、アメリカで2023年3月から4月にかけてサンプル数1237人(18歳から64歳)で行った、人工知能ツールについての調査によると、回答者のうち20.9%がChatGPTを使ったことがあると答えている。大きな話題となっていた3月から4月でも20.9%だから、知っていても使わない人が多くいるということだ。無料のGTP-3.5もあるので金銭的な理由ではない。
人工知能ツールは、AI技術を活用して特定のタスクを自動化したり、問題を解決したりするためのソフトウェアやプログラムだ。機械学習、自然言語処理、画像認識などの技術を組み合わせてタスクを実行する。これは新しい技術ではなく、以前より重要な技術として研究・開発が進められてきている。すでに限定的な機能にせよ、多くの分野でデータの分析、予測、自動化などに裏方として活用されてきた。その技術が、ChatGPTでチャットボットという形で表面に現れて、その機能にみんなが驚いたというだけだ。
その調査では、主要なAIツールの利用経験と、今後の利用意向を聞いている。この時点は、GoogleのBardは調査対象にはなっていない。調査対象の人工知能ツールは以下の通り。
Chat GPT:
Chat GPTは、OpenAIが開発した会話型で、ユーザーとチャットを行い、質問に答えたり意見を交換したりすることができる。例えば、旅行のプラン作成や料理のレシピ検索など、さまざまなシナリオで利用する。
Jasper Chat:
Jasper Chatは、Conversicaが提供するAIチャットボットツール。企業や組織が顧客対応やマーケティング活動を自動化するために使用される。Jasper Chatは自然言語処理と機械学習を活用し、メールやチャットでの問い合わせに対して迅速かつパーソナライズされた応答をすることができる。有料版のみで月額59ドル。
GetGenie:
GetGenieは、AIデジタルアシスタント。このツールは、マーケティング用の様々な文章作成以外に、スケジュール管理、タスクの割り当て、メモの作成などの日常的な業務をサポートできる。音声またはテキストで指示を出すと、GetGenieがそれを理解し、適切なアクションを実行する。まさに、魔法の壺に入っているジニーだ。月額19ドルから。
Simplified:
Simplifiedは、マーケティングや広告なども含めて様々な文章の作成に使える。機能限定ながら無料版もある。
DALL-E:
DALL-Eは、OpenAIが開発した画像生成ツール。指示するテキストに基づいて画像を生成することがでる。例えば、「帽子を被ったパンダ」というテキストを与えると、DALL-Eはそれに基づいた画像を生成する。月額15ドル。
Midjourney:
DALL-Eと同じく、画像生成ツール。DALL-Eより使いやすく感じる。また、手持ちの画像を読み込んで加工に使えるので、個人的はこちらを使用。月額20ドルから。
Statista Consumer Insightの調査結果では、過去一年間の利用経験では、ChatGPTが1位の20.9%。利用率は話題の大きさに比べて低い気がするが、今後の利用意向は89%もあり利用者には人気のようだ。2位はJasper Chatで、利用経験12.9%。今後の利用以降は69%とChatGPTより低い。3位にはGetGenieが入り、利用経験11.3%、今後の利用意向は66%。4位はSimplifiedで利用経験が10.9%で、利用意向が69%。
5位に、やっと画像生成ツールが来て、DALL-Eの利用経験が10.1%で利用意向が72%。6位がMidjourneyで、利用経験10.0%で利用意向が65%。DALL-EとMidjourneyの利用経験は同程度だが、利用継続はDALL-Eが高いのはなぜだろうか。DALL-Eの方は、最初に無料体験しただけだから理由がよくわからない。
話題になっているだけあって、ChatGPTが利用経験でも今後の利用継続でも1位だ。思ったより、画像生成ツールの利用率が低い。画像に興味がないと使わないからかもしれない。
この調査が、3月から4月だから、その後もBardも含めて多くのツールが登場し、MicrosoftもEdgeやOffice製品だけでなく、OSのWindowsにまでAI1をcopilotという名称で組み込むことを発表したので、今後は人工知能ツールの利用者はもっと増えるだろう。
中国地方は昨日から梅雨入り。昨日からの雨のために今日の予定はキャンセル。散歩にもいけず閉じこもっている。