日経平均が、バブル以来の高値を記録した。12月29日の2万7568円は、1990年8月以来の水準だ。日経平均は、今年の3月18日に新型コロナウィルス感染症の影響を受け、16,726円まで急降下した。だが、そこから経済の低迷にもかかわらず、少しずつ上昇続けてきていた。
市場好調の要因は
11月のアメリカ大統領選挙の頃から急上昇して、その勢いはとどまらず、30年ぶりの高値となった。喜ばしいことだ。アメリカの株式も同様に、ダウ平均株価が3月20日に19,173ドルまで落ち込んだが、その後は上昇続けた。バイデン候補が大統領選をの勝利を確実にした11月20日には30,000ドルを超えた。その後も上昇続け11月29日現在では30,328ドルをつけている。日本の株価も、むしろこちらの影響が大きのだろう。
この株価の上昇には大統領選挙以外にもコロナウィルス・ワクチンの有効性についてのニュースが影響している。S&P500もナスダックも同様に3月に底値となり、その後上昇に転じて、一貫して値上がりを続けている。
国内に好調の材料はない
日経平均の上昇は、日本国内の要因というより、アメリカの株高に引っ張られて上がっていることが一般的なので、国内に、この急上昇の要因があるとも思えない。
もう一つは、アメリカでも日本でも、経済の低迷により行き場を失った資金が株式市場に流れ込んで、バブル市場を形成していることが想像される。それは、インフレ懸念が背景にあるとされている。アメリカや日本を始めとする世界各国は、コロナウィルスのための市場救済策として各種のバラマキ政策をとっている。このために、世界各国の財政赤字赤字は、確実だ。そのために、近い将来にはインフレとそれに伴う金利の上昇が予想される。それを見越して、不動産だけではなく株式市場にも資金が流れ込んでいるというわけだ。
2021年に起こるかもしれないこと
2021年には、日本では予定通りであれば、オリンピック・パラリンピックが開催され、自民党総裁選挙や衆議院議員選挙も予定されている。これらの結果が、相場にも影響をもたらすだろう。新型コロナウィルスの収束は、来年いっぱいかかると見込まれ、オリンピック・パラリンピックが予定通り開催されるかどうかは、大きな要因だ。開催いかんでは、旅行・流通・サービス・広告などのセクターに大きな影響与える。
今のところ、来年2月以降に予定されている、日本でのワクチンの接種が予定通りに行われ、来年の後半には、日常生活が戻ってくることを願うのみだ。その日常を取り戻すことが、経済的な復旧の第一歩だ。
経済活動の構造変化
コロナ禍で新たに生まれた様々なオンラインのサービスや関連商品については、コロナウィルス収束後も利用されていくことが予想される。具体的には、オンライン会議やリモートワークが、新たな日常になり、出張の削減、都心から周辺部への住居の移転などはこれから長い間私たちの生活に影響与えていく。オンラインショッピングは、ますます利用され流様になり、流通が大きく変わる。その変化は、株式市場を形成する会社にも影響を与え、新たな会社が登場し、多くの会社が市場から消えてゆく。
今年も、あと2日。どこにも行かず、ステイホームを続ける。