2030 FIFAワールドカップ開催国決定

by Shogo

サッカーの国際統括組織FIFAは10月4日に理事会を開き、2030年の第24回FIFAワールドカップを、スペイン・ポルトガル・モロッコで開催し、さらに一部の試合をウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイでも開催することを決定した。この決定は、2024年に開かれるFIFA総会で承認される予定だそうだ。

FIFAは、3大陸6カ国での開催と胸を張っているようだが、この6カ国が開催国として出場枠が与えられることについては、世界各国から批判の声もあるだろう。しかし、これについては2026年から参加国を48カ国に拡大しているために、このような大盤振る舞いが許されるのだろう。

しかし、出場枠が大幅に減少する南米サッカー連盟においては大きな議論があったことと思われる。だが、FIFAの説得に応じたのか、100周年記念に免じてと言うことになったのであろうか。2022年大会までは南米サッカー連盟の出場枠数は4.5であった。しかし、これが大会参加国数が48に拡大することにより6まで増えている。この6枠から開催国枠として3枠が減少することとなると、南米の国にとっては大きな問題だ。特に当初は立候補に入っていたチリにとってはなおさらそうだろう。

このような今回の決定については、開催国決定プロセスにおいて不透明な点がある。まず、2026年大会から開催国決定を、それまでの理事会の決定ではなく、FIFA総会での投票方式に変更されていたはずだが、これが無視されて、FIFA理事会で決定されていることだ。買収などが起こらないようにするためにFIFA総会で投票というプロセスが承認されていただはずだが、これが今回無視されている。

さらに、これまでいくつかの立候補表明があったが、今回の理事会の決定においてはスペイン・ポルトガル・モロッコ3カ国共催の立候補のみが正式な立候補として取り扱われたと言う。南アメリカのウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイ・チリの4カ国共同開催構想は正式な立候補としては取り扱われなかったと言う事のようだ。これについては立候補の要件を満たさなかったと言うことも考えられる。例えば重要なものは、この4カ国の政府保証がついているかどうかなどがある。これ以外のイングランドを中心とする立候補やサウジアラビアを中心とする立候補などは、2030年大会ではなく、それ以降目指すと言うことで立候補が取り下げられているようだ。この辺に何らかのFIFAの調整が入った可能性もある。

唯一の立候補として、取り扱われた、スペイン・ポルトガル・モロッコの3カ国共催は、当初はモロッコの代わりにウクライナが入っていた。これは戦争の長期化により取り下げられているようだ。このスペインとポルトガルの立候補にクライナーを外して、モロッコを加えることで、これまで何度も立候補して破れてきたモロッコに開催を与えるFIFAの調整があった可能性が高い。この結果、2030年ではなく2034年の開催を目指すことを決めたサウジアラビアでの開催に道を開くことになる。これも、サウジアラビアとの間に何らかの密約があることを感じさせる。

2030年大会は、1930年大会の決勝戦が行われたウルグアイのエスタディオ・センテナリオでの開会式と第一試合で始まり、パラグアイとアルゼンチンでも1試合ずつ行われる。つまり、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチンとその対戦相手に選ばれたチームは、第一試合終了後に南米からヨーロッパに移動しなければいけないと言う大きなハンディを背負う。これも、FIFAによる調整の結果、選手だけが貧乏くじという結末の例だ。

行ってみたい場所の一つのモロッコでの開催ということになったから、大会時に行ってみたい気もするが、2030年に元気なのか、果たして生きているのかもよくわからない。

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