イーロン・マスクが、スペースXは4年以内に火星に宇宙船を着陸させる可能性があると言ったそうだ。この発言は木曜日にアゼルバイジャンで開催された国際宇宙会議にオンラインで出演してスペースXが開発中の巨大ロケット「スターシップ」の進捗状況の説明の際に出た発言だそうだ
スペースXは現在は「ファルコン」9ロケットの定期的な打ち上げと再利用で、今年だけで70回の打ち上げを成功させている。このスペースXが出てくるまで、ロケットの再利用と言う発想をした人がいなかったのかどうかは知らないが、ともかく数々の失敗を重ね実用化までへこぎつけたのはイーロン・マスクだからかもしれない。
彼は以前は2024年に火星に人類を移住させると発言した。これは無理にしても、近い将来、火星に人類が到達する可能性が出てきた。火星は、地球に最も近い惑星で、数多くのSFの舞台にもなってきた。しかし、そこに到達することは夢のまた夢だと思っていた。
火星までの距離は、1番近づいた時点で7,528万キロメートルで780日の周期で、地球に最も近い位置に来るようだ。これを最新のロケットで行けば3ヶ月程度の距離だと言う。これが実現すれば、大航海時代の新大陸への旅行程度のことなのだろうか。
生きている間に実現しそうにもないと思っていたことが、いくつするも可能性が出てきた。火星の到達や汎用人工知能の登場などだ。もちろんいつまで生きているかどうか分からないので、完璧に実現するかどうかは分からないが既に可能性は高く、時間の問題だ。
火星の前にスペースXは、NASAのプログラムである宇宙飛行士の月着陸計画のアルテミスでも重要な役割を果たしており、これは2026年には実現と見込まれている。このアルテミスIIIで使われるロケットは、火星着陸に向けて準備されているものとほとんど同じものだそうだ。つまり2026年に月着陸が成功すれば、それからそう遠くない将来に火星に向けてロケットが打ち上げられることになる。
宇宙開発の他の話題では、Amazonのジェフ・ベゾスのブルー・オリジンが、スペースXのStarLinkと競合する衛星通信サービスの試作衛星2機を打ち上げた。最終的には3200以上の衛星で構成される宇宙通信システムになる。これが実現すれば、衛星通信システムは、マスクのStarLinkの独占ではなく、Amazonのブルー・オリジンが競合サービスを始めることになる。近い将来、地球上のどの地域でも、小さなアンテナを立てれば、インターネット通信が可能になる。これもほんの少し前までは考えもしなかったことだ。
技術はどんどん進歩して新しいことが可能になるが、追いつかないのは人類の知恵だ。戦争や環境破壊、差別や貧困、これらは何も解決していない。技術の進歩は計画が可能だが、知恵の進歩については、計画は難しいようだ。