ラグビーワールドカップ2023終了

by Shogo

ラグビーワールドカップ2023フランス大会が終了した。南アフリカが、ノックアウトステージすべて1点差の勝利というとんでもない記録を作って優勝した。接戦の試合を見ていると、こちらまで力が入って疲れるものだ。と言っても、実は決勝戦は見ていない。配信はなかったからだ。実家までわざわざ行って試合を見た週末もあった。ただ、この週末はよく確認していなかったので、決勝戦を見るために起きてパソコンをつけてから気がついた。テレビが無いから仕方ないので、テキストの速報を見ていいた。馬鹿な話だ。

映画の「インビクタス」を見てから南アフリカのファンで、しかも2015年のブライトンの奇跡と呼ばれるジャパンの南アフリカ勝利も現地で見ていたから、南アフリカには親近感を感じる。特にキャプテンのシヤ・コリシの言動は、日本大会の時から素晴らしいものがある。

南アフリカは、アパルトヘイト政策への制裁で国際大会に出場できず、ラグビーワールドカップも第3回大会からの出場にとなっている。第10回大会のフランス大会で8回目の出場となり、そのうち4回が優勝だ。今大会で、ニュージーランドが優勝していれば、こちらも4回優勝をすることができたが、南アフリカに先を越された。このところ調子の悪いニュージーランドを考えると、順当な結果だったのかもしれない。

特に印象に残っているのは、プールステージでアイルランドに負けた試合と準々決勝のフランス戦だ。大会前から、世界ランキング1位として優勝候補ナンバーワンであったアイルランドと接戦の末に敗れている。両チームともに1トライをとった。勝敗を分けたのは、コンバートの成功と失敗と1つのペナルティーゴールの差だった。どちらが勝ってもおかしくない試合だった。南アフリカにとっては、プール戦の最初にスコットランドに勝っていたから、準々決勝進出は問題ないので、力を抜いたわけではないが、2015年大会と同様にノックアウトステージを考えているのだろう。

もう一つの試合の準々決勝のフランス戦は、これもどちらが勝ってもおかしくない試合だった。コンバージョンキックを南アフリカのコルビがチャージして止めたことが、結果的に南アフリカの1点差の勝利につながった。すごい試合だった。

今回の大会のノックアウトステージの試合はアルゼンチン対ニュージーランドの準決勝を除いて、すべて接戦で最後まで目が離せない大会となった。全て良い試合ばかりで、もう少し時間帯が良ければ、日本のラグビー人口の拡大につながったのかもしれない。時差の関係で、深夜早朝の試合となり、日本ではあまり視聴率が取れず残念だ。それでも日本代表のジャパンのノックアウトステージ進出のかかったアイルアルゼンチン戦は日曜の20時からだったことがあり、世帯視聴率で21.5%、個人視聴率で14.1%とっている。やはり同様に土曜日20時からだった日本対チリ戦も世帯視聴率で19.3%、個人勝率で12.5%とっている。2019年大会のあの盛り上がりの余韻が、多くの人の中にまだ残っているようだ。

2023年フランス大会は準決勝を終えた段階で、観客動員数が230万人を超えたと発表された。決勝が行われたパリ郊外サン・ドニのスタッド・ド・フランスは観客動員数が8万人なので、総動員数は約240万人と推定される。これは2019年本大会の180万人をはるかに上回るがスタジアムの収容人数の関係で仕方がないことだろう。

しかし、周辺ではフランス大会の運営が雑だったことが指摘されている。私の行ったニースのイングランド戦でも、チケットは売り切れにもかかわらずスタンドの上部に大きな空席のエリアがいくつかあった。理由はよくわからないが、何らかの問題があったことだけは確実だ。

それから、48試合の1試合だけ見ただけでよくわからないが、イングランド大会に比べても、スタジアムの担当者やボランティアがあまりよくトレーニングされてなく、質問にすぐ回答がもらえなかったり、ぶっきらぼうな対応されたことが気になった。日本大会では、あのような事はなかったはずだ。

1999年から参加20チームに増えた大会のフォーマットは、今大会で一旦終わりになる。次回2027年オーストラリア大会からは参加チームは24に拡大する。この24チームが6つのプールに分かれて、プールステージを戦い、各プールの上位2チームと各プール3位のうち上位4チームの合計16チームが、ノックアウトステージに進む。1つのプールに奇数の5チームが入っていた今のフォーマットと違い、新しいフォーマットでは偶数の4チームになるために、各チームの日程間隔の不平等が改善される。この結果、大会期間も1週間弱短縮されて6週間となる。

大会の運営方式も、組織委員会をおかず、ワールドラグビーが直営で行う方針が既に示されており、オリンピックやFIFAワールドカップとは違う、新たなスタイルの国際大会で運営されるようだ。これは日本大会で、多くの未経験者が大会運営に関わり手間がかかった大会の経験と、個人的な印象だけだが、フランス大会と言うワールドラグビーの指示を嫌う、独立した運営方針に嫌気がさして、自ら行うことを決めたのかもしれないと勝手に想像している。

ジャパンはベスト12入っているので、2027年に自動的に出場が決まっている。プールで3試合を戦うが順当に行けば、かなりの高い確率で準々決勝に進むであろう。フォーマットが変わったとは言え、2019年以来、2回目のノックアウトステージ進出だ。これを考えれば、4試合を確実に戦うことになり、これは今後放送権を購入する放送局にとっても日本戦が4試合あると言う事は大きい。次回も今までの日本テレビ、NHK、 J スポーツと言う座組が維持されるかどうかわからないが、やはり高い視聴率が見込める日本戦が何試合あるかどうかは担当者にとっても気になることである。

長くなるので、これ以上は書かないが、もう一つ。以前よりラグビーのコミュニティーでは、日本代表のことをジャパンと呼ぶが、なぜ日本代表ではなく「ジャパン」なのか気になっている。何人かに聞いたが、誰も答えを持っていなかった。次のジャパンのメンバーは当然まだ決まっていないが、リーチマイケルが非常に意欲を示していると言う報道がされており実現すれば嬉しい。ヘッドコーチもジェイミー・ジョセフの後任がまだ決まっていない。2015年の時のコーチのエディー・ジョーンズがオーストラリアのヘッドコーチを辞任したと報道されて日本のヘッドコーチになるのではと言う推測されている。メンバーが誰になろうと、2027年にはジャパンには頑張ってもらいたいものだ。元組織委員会の仲間でもオーストラリアに見に行こうと言う話も既に始まっている。

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