X(元Twitter)の運命

by Shogo

ハマスのイスラエル攻撃がきっかけで始まったX(元Twitter)における混乱は続いており、その結果、広告主が次々と離脱を始めている。パレスチナ支持者、イスラエル支持者も含めて、議論の場になることは、そもそもX(元Twitter)の存在意義である。問題なのは、偽情報や誤報情を意図的に流す人を排除できないことや、イーロン・マスクが反ユダヤ人主義の陰謀論を支持する投稿を行ったことが、問題を巨大化した。

これに反省したのか、その後にマスクは、今回の紛争に関する投稿によってもたらされる収入の全てをイスラエルの病院とガザの赤十字病院に寄付すると発表している。

Twitterの人気の理由

Xは、Twitterとして2006年にジャック・ドーシー他によって創業された。短文による投稿と言う形式が他になかったために人気を集め、順調に成長続けた。2023年の時点で5億2800万の月間アクティブユーザがいる。特に日本では成功しており、ユーザ数はアメリカに次いで2番目に多く6,700万人と発表されている。ただし、短文による投稿は、広告との相性が悪く、創業以来、赤字の年が長く続いてきた。

Xが人気を集めた理由は、いくつかのユニークな特性が組み合わさっていたからだ。まず、Twitterはリアルタイムでの情報共有を可能にし、ユーザーが世界中で起こっている出来事について瞬時に知ることができるプラットフォームだ。これは、他のプラットフォームに無いTwitterの大きな強みだ。

ユーザーは短い文の「ツイート」を通じて、ニュース、個人的なアップデート、意見、または単なる日常的な出来事を迅速に共有できた。また、その文字数制限(最初は140文字、後に280文字に拡張された)は、情報を簡潔に伝える新しいコミュニケーションの形式を生み出した。これにより、多くの情報を追跡し、リアルタイムに、かつ網羅的に状況を理解することを可能にした。

さらに、「フォロー」のシステムにより、ユーザーは自分の興味のある個人や組織の投稿を選んで受け取ることができ、カスタマイズされた情報フィードを作成することができる。関心に基づいた高度なパーソナライゼーションは、他のSNSと同じだが、Twitterの場合には、様々なテーマやトピックスがカバーされており、簡単に多くの投稿者にアクセスできることから、多くのユーザーを惹きつけた。

この性格は、セレブリティや政治家などが自分のフォロワーと直接コミュニケーションを取る手段としても利用され、これがさらなに利用を促進した。中でも、ハッシュタグの導入は、特定のトピックやイベントについての会話を組織化し、検索しやすくすることで、コミュニティ間のエンゲージメントを高めることに役立っている。

これらの側面により、Twitterは急速に成長し、社会的影響力を持つプラットフォームになっている。ただし、先にも述べたように、広告モデルとして致命的な欠陥が、広告を収容することが、効果的に行えないということである。結果として、赤字が続いてきた。

デジタルマーケティングの観点から

リアルタイムマーケティング

 Twitterのリアルタイム性は、企業が瞬時に顧客とコミュニケーションを取り、トレンドやイベントに即座に反応することを可能にした。このリアルタイムは、消費者の関心が高まっているタイミングで、関連性のあるメッセージを発信するための強力なツールとなる。例えば、コカ・コーラは特定のイベントや祝日に合わせたキャンペーンをリアルタイムで展開し、Twitter上で消費者とのやりとりを活発化させてきた。ワールドカップ期間中に特定の試合に関連したツイートを行い、注目度を高めるような使い方だ。

カスタマーエンゲージメント

広告主は、Twitterを使用して、顧客と直接会話を行い、フィードバックを受け取り、顧客サービスを提供することができる。これは、消費者との関係を築き、ブランドロイヤリティを高めるのに有効だ。多くの企業が、顧客からの質問や不満に迅速に対応するためにTwitterを活用しており、迅速な顧客サービスを可能にしている。

ハッシュタグを使用したキャンペーン

Twitterのハッシュタグは、特定のキャンペーンやトピックの発信に適しており、コンテンツの可視性を高めるのに役立つ。例えば、マクドナルドは#AllDayBreakfastのようなキャンペーンを行い、朝食メニューの終日提供を促進するためにTwitter上でハッシュタグを活用している。

クライシスマネジメント

ネガティブな話題や炎上が起こった時、Twitterは迅速に対応し、公式声明を発表するプラットフォームとして機能する。多くの企業が、リコール発表や問題発生時にTwitterを利用して顧客への通知と情報提供を行っている。

これらのTwitter独自の性格と共に、他のプラットフォームと同様のネット広告の長所も持っている。ターゲット広告・データ収集と分析が可能なことや、コンテンツマーケティング・インフルエンサーマーケティングにも適している。

このように、ユニークなSNSプラットフォームであるXではあるが、マスクの買収以来、多くの出来事が起こっている。今年の夏には、前年比で広告収入が半減しているとのことだったが、今回の紛争に伴う、問題のある投稿のために、さらに広告主が逃げ、今後の経営にも暗雲が濃くなってきたようだ。

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