インフレ率3.21%

by Shogo

日本の2023年のインフレ率は3.21%になっている。かつてはインフレターゲット2%とされて、金融緩和をにもかかわらず、インフレ率は1%にも届かなかった。デフレ脱却のための数々の施策が行われたが、どれも成功してこなかった。今回、2%を超えて目標達成したからといっても、インフレでかえって将来への不透明感が増すばかりだ。

30年にもわたるデフレで、お金の価値が常に一定と言うことに慣れてしまっている。給料が増えなくても物価も一定だから、そうお金に心配する必要もなかった。だから、投資をしようと言うような発想は今までなかった。忙しくてそんなことを考えたこともなかったと言う方が正しいのかもしれない。デフレで物価が変わらないと言う前提のもとに行動していた。

しかし、今後毎年3%以上もインフレが続くとすれば、数年後には1割程度も物価が上がることになる。1%にも満たないインフレ率が急に3.21%になったのだから、さらにインフレが進む可能性もある。そうなると何割ものインフレということになる。

10月にIMFが発表した世界のインフレ率を見ると、最も高いベネズエラは2023年で360%だ。2022年は187%。2位にインフレ率の高いジンバブエは215%、2022年に193%だった。3位はスーダンが256%で2022年139%。4位はアルゼンチンで122%、 2022年72%だった。5位がトルコで51% 、2022年72%。このように世界では100%を超えるようなインフレ率の国がたくさんある。日本のインフレがここまで進む可能性はないと思われるが、現在の3.21%よりもさらにインフレが進む可能性は高いと思われる。アメリカは、直近のインフレ率が3.2%となっているが、このところ5%程度のインフレが続いてきた。もう10年以上アメリカには行っていないが、多くの人からアメリカの物価の高さを聞く。5%のインフレが続けば、当然のことながら、物価が高くなるのは当然のことだろう。日本も同じようになる可能性が出てきたと考える方が自然だ。

経済の事はよくわからないので、インフレの発生の仕組みについては理解していない。しかし、新聞などで読む限り、金融緩和で通貨供給が増加したことや、円安により様々な輸入物資の価格が上昇したことがインフレにつながっているようだ。コロナ禍での対策も、この金融緩和をさらに拡大した。将来的なインフレ懸念が高まると多くの人々が自己防衛のために自らの商品・サービスの価格を値上げをするため、それがさらにインフレにつながる可能性もある。これは、当然のこととして理解できる。将来への不安感による心理的なインフレ押し上げだ。

子供の頃から日本は貿易立国と学校で習った。貿易により生計を立てていると考えてきたのだ。しかしながら、近年は貿易黒字額は長期低落傾向にあり、急速な円安にもかかわらず、2023年にはついに貿易赤字国になった。これは、子供の頃に刷り込まれた世界の前提条件が崩壊したことを意味する。この理由として、やはり円安の影響で、エネルギーの輸入額の増加や製造業の海外シフトも影響しているようだ。果たして、これは改善するのだろうか。

日本経済の状態や今後も円安が続くと考える方が自然なので、自らの生活防衛のためには多少お金のことを考えなければいけないのだろうかと思い始めた。とは言え、知識もないし、それ以前に資金もないので難しい。ベネズエラやジンバブエのような数百%のインフレにならないことを祈るのみだ。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください