ブルーライトカットメガネが世の中で登場してから長い時間が経った。気になって調べてみると、Jinsが、ブルーライトカットメガネを発売して大人気になったのは、2012年のことのようだ。それから10年、ブルーライトカットメガネはどのメガネ屋も売っている。メガネを買うときには、ブルーライトカットのフィルターを追加するかどうかを聞かれる。
これは、日本だけのことではなく、アメリカでも同様だ。昨年アメリカで創業したFlix Grayは、ブルーライトカットメガネに特化した会社で、自らオフィスから生まれたと宣言している。そのサイトには、Google, Apple, Amazon, Facebookなどの巨大IT企業のロゴが並び、「この企業のオフィスでも使われています」と大きく書かれている。このスタートアップは、コロナ禍で家庭での仕事時間が増えたこともあり、有望とみられている。このために、昨年2億円程度の資金を集めた。
ジェニファーロペスなどのたくさんの有名人が使用しているという記事もある。また、多くの有名人がブルーライトカットメガネの広告に登場している。それから、ドリュー・バリモアは自分のサイトでブルーライトカットメガネを売っている。
アメリカで、ブルーライトカットメガネという呼び方もあるが、コンピューターメガネとも言うようだ。
メガネ会社各社によれば、ブルーライトカットメガネはブルーライトを20%削減することにより、よく眠れ、目の疲れを和らげ、網膜へのダメージを防ぐという。しかしながら、学者によってはこのようなことに同意をしていない。
ロンドン大学のローレンソン医師によれば、ブルーライトカットメガネは必要ないと言うことだ。スクリーンを見ていて目が疲れのは事実だが、その原因がブルーライトにあるということが証明されていないと発言している。
アメリカのマサチューセッツ州のラムジー医師は、スマホやタブレットからのブルーライトの量はごくわずかで障害をもたらすほどのものではないと言っている。同医師によれば、目の疲れを感じるのであれば、ブルーライトカットメガネをかけるのではなく、時々スクリーンから目を離す時間を持つことが大事だということだ。
睡眠に関しても同様で、ブルーライトがメラトニンの分泌を妨げることは事実だが、ブルーライトカットメガネをかけるのではなく、寝る1〜2時間前はスクリーンを見ないこと、.軽い運動すること、夕食を早めに食べることなどが重要だということだ。
今もブルーライトカットメガネをかけて、これを書いている。最初のブルーライトカットメガネを買ったのも発売されてからすぐのことだった。こういう効果がありますと言われると、すぐ信じてしまうタイプなので、効果があると思って使っている。だから、あまり効果がないと言われると少し残念な気がする。
とはいっても、メガネは普段からかけているので、ブルーライトカットフィルターの値段はたいしたものでは無いから、あまり損害は無いとも言える。寝る前にパソコン、タブレット、スマホを見ない方が良いと言うことなので、睡眠のために、むしろそのようにしようと考えた。
商売ということは、難しい。しかし、小さなことでも、効果があまりなくても(誇大広告はいけないが)アイディアがあれば巨大な市場になるということの見本みたいな話である。