アメリカ大統領選後に、Xが悪い意味で話題になった。それは、イーロン・マスクが大統領選挙を通じてトランプ元大統領に急接近して再選決定後に政権入りするという報道がされため、Xをやめて、Treads、BlueskyやMastodonへ移行する人が増えたということだ。この傾向は続いていて、Blueskyは2,000万人を突破したそうだ。
だが、一方で今日話題になっていたのは、逆の動きだ、こちらは、広告主がXに戻り始めたという驚きのニュースだ。
主要広告主が約1年ぶりに広告キャンペーンを再開したという。IBM、ディズニー、コムキャスト、ワーナー・ブラザーズ、ライオンズゲートといった大手企業がXに戻るという動きは、Xが広告主の信頼を取り戻しつつあるということかも知れない。この変化の原因は、CEOリンダ・ヤッカリーノのリーダーシップと営業活動なのか、トランプ政権の中枢にいるようなイーロン・マスクの影響力なのだろうか。
広告主のXボイコットのきっかけは、2023年にXのコンテンツモデレーションやオーナーのイーロン・マスクの発言に関する懸念だった。過激な投稿が広がりやすい環境が指摘され、広告主はリスクを避けるためにXから距離を置いた。これに対し、ヤッカリーノCEOはコンテンツの安全性を高める施策やを進め、広告主の信頼を回復する努力を続けてきたそうだ。
しかし、広告主が戻り始めたものの、広告主の支出額は依然として低水準のようだ。2024年1月から9月までの広告収入は330万ドルと、2023年の同期間の1億7000万ドルから大幅に減少している。これはXの将来に対する懸念が完全には解消されていないことも表している。
大企業が慎重な姿勢を見せる一方で、小規模な広告主が広告枠を活用に積極的なようだ。小規模な広告主はXを積極的に利用しており、総額6800万ドル以上を費やしている。Xは、こうした小規模ブランド向けの積極的な広告営業を続け、結果的に「ロングテール戦略」となっているようだ。
今後の見通しとして、トランプ政権との関係が、広告主がXを見直す要因となるかどうかだろう。トランプ政権下で、Xが政治的に有利なポジションを得る可能性があることが、企業にとってXを再評価する契機となるかも知れない。
主要広告主がXに戻ったことは、Xにとって重要な動きだが、まだ、多くのユーザーの脱出など課題が山積だろう。大手広告主の復帰の動きは信頼の回復を示すものの、広告予算の削減やユーザー減少など、まだまだ以前の状況に戻るのも難しいだろう。と言っても、イーロン・マスクの買収以前も、Twitterは万年赤字会社だったから、今と同じだった。