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ベルギーのシュルレアリスム画家ルネ・マグリットの代表作「光の帝国」(L’Empire des Lumières)が、2024年11月19日にニューヨークで開催されたクリスティーズのオークションで1億2120万ドル(約188億円)で落札された。この価格は、シュルレアリスム作品として史上最高額であり、マグリット自身の過去最高記録も大幅に更新したということだ。
好きな絵だが知らなかったことは、「光の帝国」シリーズは17点もあることだ。今回落札された作品は、その中でも特に大きなサイズをで、水面が描かれた初めての例なのだそうだ。確かに覚えている絵には、水面に街灯や家が映っていなかった気がする。
今回のクリスティーズのオークションでは、「光の帝国」に対する関心が高く、約10分間にわたる電話入札者同士の激しい競り合いが繰り広げられたそうだ。最終的には1億2120万ドルという価格で落札され、これは事前見積もり額9500万ドルを大きく上回る結果となった。オークションは、競争者がいることで値段が上昇するが、その見本のような話だ。
この結果により、マグリットはオークションで1億ドル以上で取引された16人目のアーティストとなり、シュルレアリスム作品としても初めてこの価格帯に達したという。1億ドルクラブには、レオナルド・ダ・ヴィンチやピカソ、アンディ・ウォーホルなど16人もいるということも初めて知った。
1億ドル以上で作品が売れた画家16人
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- サルバトール・ムンディ (2017年、4億5030万ドル)
- パブロ・ピカソ
- アルジェの女たち (バージョンO) (2015年、1億7940万ドル)
- 窓辺に座る女 (1932年) (2021年、1億340万ドル)
- アンディ・ウォーホル
- ショット・セージ・ブルー・マリリン (1964年) (2022年、1億9500万ドル)
- ジャン=ミシェル・バスキア
- Untitled (1982年) (2017年、1億1050万ドル)
- グスタフ・クリムト
- アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I (1907年) (2006年、1億3500万ドル)
- アメデオ・モディリアーニ
- 横たわる裸婦 (1917-18年) (2015年、1億7040万ドル)
- フランシス・ベーコン
- ルシアン・フロイドの3つの習作 (1969年) (2013年、1億4240万ドル)
- エドヴァルド・ムンク
- 叫び (1895年) (2012年、1億1990万ドル)
- ジョルジュ・スーラ
- ポール・アン・ベッサンの肖像 (1886-87) (2022年、1億4920万ドル)
- ポール・ゴーギャン
- Nafea Faa Ipoipo? (いつ結婚するの?) (1892年) (2015年、推定2億1000万ドル – 個人間取引)
- ポール・セザンヌ
- カード遊びをする人々 (1894-95年) (2011年、推定2億5000万ドル – 個人間取引)
- ウィレム・デ・クーニング
- Interchange (1955年) (2015年、推定3億ドル – 個人間取引)
- ジャクソン・ポロック
- ナンバー17A (1948年) (2015年、推定2億ドル – 個人間取引)
- マーク・ロスコ
- No. 6 (Violet, Green and Red) (1951年) (2014年、推定1億8600万ドル – 個人間取引)
- ロイ・リキテンスタイン
- Masterpiece (1962年) (2017年、1億6500万ドル – 個人間取引)
- ルネ・マグリット
- 光の帝国 (1954年) (2022年、1億2120万ドル)
ピカソは、2作品が、1億ドル以上だ。しかし、これらの作品は市場で取引されたもので、古くから美術館などに所蔵されている作品は、いかに価値があっても取引されないので、このリストには入らない。だから、この16人が特に価値の高い画家とは言えないだろう。