トヨタ自動車は2030年までに車載用の電池の開発生産に1兆5000億円を投資する計画を発表した。また、電動自動車を2030年には800万台販売すると言う計画だと言う。このトヨタの計画では、「全個体電池」が使われ、今の主流のリチウムイオン電池よりも安全でパワーがあると言うことだ。世界中の企業が、次世代の車で競っているので、日本の代表のトヨタとしては頑張ってもらいたいものだ。
アメリカではバイデン大統領の計画が発表され、2030年には販売される車の半分を電気自動車するという。これを実現するためには様々なインフラの整備が必要になる。もちろん搭載する電池が重要であるが、充電するための現在のガソリンスタンドに当たる充電ステーションが必要になる。その際には、今の電池とは違い短い時間で充電できる電池が必要になる。
車の話題から離れるが、Whoopと言う新しいフィットネストラッカーがサービスを開始した。今まで使っている3台目のFitbitが2年になるので、そろそろ寿命かと考えて情報を集めている。このWhoopのフィットネストラッカーが凄いのは手首につける時計型のものだけではなく、ブラ、シャツ、レギングスにフィットネストラッカーを付けることができるほど小さい。。月額18ドルから30ドルの使用料で使える。つまり売り切りではなく、サブスクリプションの契約で端末がついてくるビジネスモデルのようだ。
それほど小さなトラッカーを作るためには様々な技術が必要だが、その中でも電池は重要な要素になる。Whoopに組み込まれている電池は今までの電池に比べると充電率が17%改良されたものだと言う。
このWhoopの電池の技術を供給しているSilaと言う会社は、テスラの元バッテリー担当者が起業した会社だ。この会社はSilaはバッテリー製造会社ではなく、リチウムイオン電池の中の材料を供給する会社だ。リチウムイオン電池の中には材料としてグラファイトが使われているが、これをシリコンパウダーを使うことにより、リチウムイオン電池の充電効率を上げるようだ。
このSilaは10年前に創業されているが。その際にはアメリカ政府が新エネルギー政策のために設立したプロジェクトから資金の提供を受けていると言う。すでに10年前に、アメリカ政府は、次世代の電池のための研究の予算をつけていたことになる。日本にもこのような先見性のある政策を発案する政治家や官僚がいて欲しいものだ。
Silaは、Whoopのフィットネストラッカーの電池を供給することを目的にしてはいない。あくまでも主戦場の車搭載の電池を目指している。Silaが目指しているシリコンパウダーでリチウムイオン電池を改良する方式が勝つのか、それともトヨタが目指している「全個体電池」が勝つのか。あるいは、他の形式が登場するか。トヨタにがんばってもらいたいのだもの。現時点では実用化されているSilaの方式だが、Silaは単にリチウムイオン電池を改良しているだけで、「全個体電池」が実現して、リチウムイオン電池より安全で、しかも効率が良く小型化できれば、トヨタの勝ちだ。
しかし、電気自動車といっても実際は充電して走るので、その元になる電気はどこかで発電しなければいけない。内燃機関がガソリンを燃やした走るわけではないので、その点では電気自動車は環境対策になるのは事実だ。だが、元の発電が環境にどのような影響与えるのかということも考えなければいけない。地球の温暖化対策と言う意味では全体を見るべきであろう。