ハッブル宇宙望遠鏡の後継機のジェームスウェブ宇宙望遠鏡は12月24日に打ち上げられることになっていたが、NASAは打ち上げを2日遅らせると発表している。それでも年末までは打ち上げられて、宇宙の秘密の歴史の解明に役立つと期待されている。
ジェームスウェブ宇宙望遠鏡
ジェームスウェブ宇宙望遠鏡は、フランス領ギニアのヨーロッパのロケット発射場から打ち上げられて、月の裏側まで到達する予定だ。打ち上げ後に、大きな金色の鏡を広げ、太陽から宇宙望遠鏡守るための日よけのブラインドを展開する作業が待っている。この過程は344の工程の作業だという。この段階では地球からは何のコントロールもできないそうだ。これがうまくいくか心配な点だ。
この作業が完了すれば、ジェームスウェブ宇宙望遠鏡は、太陽系の外にあるまだ1億年ほどしか歴史がない若い星や銀河をとらえることができる可能性がある。
このジェームスウェブ宇宙望遠鏡は、25年前に計画始まり、1兆円を超える予算が注ぎ込まれている。これほどの労力と資金が投じられているため、巨大な鏡や日よけのブラインドが無事に展開されるかどうか関係者は不安でいっぱいだと言う。
今使われているハッブル宇宙望遠鏡は、打ち上げられたときに鏡が変形していたために、スペースシャトルを使って宇宙飛行士が修理のために、ハッブル宇宙望遠鏡まで向かったそうだ。今回も、複雑なメカニカルな展開が無事に行われるかどうかは現時点では誰もわかっていない。
宇宙の歴史は、ビックバンが138億年前に起こったと推定されている。だから太陽系外の遠い位置にある銀河や惑星が、1億年程度の歴史が若い状態を観測する事は、宇宙の歴史の解明に役立つと天文学者は期待している。このためにジェームスウェブ宇宙望遠鏡は大きな役割を果たすと考えられており、多くの関係者は打ち上げとその後の展開の工程について心配しているのだと言う。
宇宙の歴史は138億年前と言うのは以前より知っていたが、それでは宇宙の終わりはいつなのだろうか。地球の歴史は今から75億年後に減った膨張した太陽に飲み込まれて終わると言われている。それでは宇宙全体の終わりと言うのはどうなっているのだろうと検索してみた。吉田信夫さんが書いているブルーバックスのサイトには、10-100乗年にブラックホールが蒸発して物理現象がなくなり宇宙そのものが消えると書かれていた。これは、ビッグバンに対応するビッグウィングパーと呼ばれる現象だという。
ビッグウィンパーと言う名称は誰がつけたのかわからないが、ウィンパー、whimper、すすり泣きとは、なかなか詩的なものだ。
今までの138億年と、これからの無限に近い宇宙の終わりの日、ビッグウィンパーまでを考えると、1人の人間が生きていると言うのは本当に一瞬のことなのだと改めて感じる。とは言え今日の24時間は今日しかなく、楽しく過ごしたいものだ。