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TATE MODERNは知っていたが名前を知っているだけで、写真なども見たことがなかった。初めて見たのはウッディ・アレンのロンドン三部作の第一作の「Match Point」の中でだ。川のそばのガラスと白い壁のモダンな美術館ということだけだったが、実物を見ると発電所を改装して作られただけのことがあり、煉瓦作りのしっかりした建物だ。発電所の中をくりぬいてガラスと白い壁の美術館をはめ込んだということだ。
もう終わってしまったが、そのテート・モダンでウイリアム・クラインと森山大道の大規模な展示が行われていた。前から知っていたがチャンスに恵まれて行けたのだ。どちらも好きな写真家だが、何冊かの写真集といくつかのオリジナルプリントを見ただけだったので、両写真家のたくさんのオリジナルプリントを見ることができて良かった。
特にクラインのビデオが上映されていて、コンタクトシートの色々なカットを見せて最終的にどれを選んだかという説明がされていたが、これが面白かった。いくつも似たカットを見せて、どれも写真になっていないが、これが写真になったという本人の声には圧倒的な説得力があった。何が写真になるかということに関して自分自身の審美眼がなければいけない。世界を写真を通してみた時に、何が写真になるかということに関して、自分の明確な基準が必要だということだろう。
両写真家とも多くのものを撮っているが、やはりクラインはニューヨークがいいし、森山は初めて正式に見た「写真よさようなら」のシリーズが良かった。
たまたまの運で見ることができたが、こういうこともないとね。