富士フィルムがフィルム製品の一部の販売終了を発表した。カラーのネガとポジのいくつかが販売終了となり、選択肢が狭まる。ポジはあまり使わないので個人的には影響はないのだが、アスティアやセンシアを使っていた人はかなりいるだろうから、影響を受ける。モノクロフィルムでは、ネオパンSS 36枚撮が販売終了になり24枚撮だけになるようだ。終了時期は来年の3月だそうだ。モノクロはアクロスが推奨されているが、個人的にはネオパンSSを常用していないから問題が無いと言えば問題は無い。
ただし、今回のニュースもフィルムの未来に対して不安な兆候と感じる。富士フィルムもフィルムの販売量が激減して収支を改善するためには、製品の統合による合理化は避けられないのだろう。富士フィルムの収益の柱はすでにフィルムビジネスではなく、事務機や化粧品などに移っているそうだ。このため人員の整理はもちろん、製品のラインを減らす必要があるのだろう。最終的には、カラーのポジとネガ、モノクロと3種類になってしまうかもしれないが、それでも最悪はかまわないので、完全な撤退は避けて欲しいと思う。
現時点ではコダックとヨーロッパに何種類かまだフィルムが残っているが、欧米系の企業は収益が悪化すれば完全撤退の決断は早いだろうし、富士フィルムに比べれば多角化していない中小企業だから、突然なくなる可能性は高い。
フィルムの未来に対しては、できるだけ使って、企業の収益に貢献していく以外に方法はない。利益が出ている限りは続けるだろう。だから値上げされても使い続けるということなのだが、1本1000円ならまだ使えるが、1本2000円とかいうと月に何本使えるだろうか。
でもデジタルも見せかけはフィルムのお金はかかっていないが、ハードの陳腐化のスピードも考えると、本当は相当なコストを支払っているのだ。