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写真家 渡部さとるさんの新作「旅するカメラ4」が枻文庫から発売になった。「旅するカメラ」のシリーズは、最初、北京で読む本を、日本に帰った時にまとめて買った本の中の一冊だった。その時点では、渡部さんのことはあまり知らなかった。多分、タイトルで買ったのだろう。それがシリーズのどれだったか思い出せないが、その後、三冊とも読んだ。その頃にネットでもブログを読み始めていた。どちらが先だったかは思い出せない。
「旅するカメラ」のシリーズで、カメラの話や写真の話、ご自身の経歴の話にすっっかり引き込まれ、帰国後、写真展にいったりしてご本人ともお話をさせていただいたり、写真を購入させていただいた。
今回の「旅するカメラ4」は前回からしばらくぶり。と言っても私には北京時代に読んでからだから3年ぶりの新作・表紙の帯に大きく「写真の話、しようよ!」と書かれている。そうだ、渡部さんの写真の話が聞きたかった。
大きめの文字の文庫なので小一時間で読み終える。でも、その内容は今の私の考えている内容にリンクして、読み終えた後も中身がこだましている。
ライカやローライなどのカメラの話はもちろんだが、プリントの話はまさにど真ん中。プリントを黒くしすぎる私のような素人を見抜いているような記述がある。それから、ネガにすべてが記録されていて、プリントの時にあまり手を加えないという話、フォコマートの話。
一度読み終えたが、また何度か手に取ることになるだろう。