パリオリンピックが終了した。日本選手団は金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個、合わせて45個のメダルを獲得し、海外で開かれた大会での最多数を更新したということがニュースになっている。
特に印象的だったのはレスリングで、清岡幸大郎が男子フリースタイル65キロ級で金メダルを獲得し、鏡優翔が女子76キロ級で金メダルを獲得した。近代五種では、佐藤大宗選手が銀メダルを獲得し、日本選手初のメダルとなったことも大きなニュースになった。やり投げの北口榛花選手が世界一のやり投げで話題になった。きりがないので辞めるが、このような選手の活躍が45個のメダル数になっている。
パリ2オリンピックの日本のメダル獲得
- 金メダル: 20個(日本は3位)
- 銀メダル: 12個
- 銅メダル: 13個
- 合計: 45個(海外開催大会で最多)
メダル獲得数の多い上位5カ国
- 1.アメリカ
- 2.中国
- 3.日本
- 4.オーストラリア
- 5.フランス
金メダル数、メダルランキングともに世界第3位とランキング上は前回東京大会に並ぶ過去最高タイだった。
金メダル数は、2021東京大会の27個には及ばなかったが、1964東京大会、2004アテネ大会の16個を上回る過去最多の記録となっている。道理で、日本人の活躍が目についたわけだ。
これで、今回の「にわかJapan」の気分も終わりだ。オリンピックがナショナリズムを高揚させる理由を考えてみると、やはり、個の国別のメダル獲得数ランキングが発表されることが、大きな効果がある。国ごとの競争意識を強く喚起する。高校野球で出身県の高校を応援することと同じだ。
それから、メダル獲得での国旗の掲出と金メダルの際の国歌の演出により、国というものを意識させる。選手が個人ではなく国家の代表として出場していることが強調され、ナショナリズムが高揚することになる。このときに、その若い選手に、同じ日本人として一体化して思い入れするからだろう。
また、このようなメダル獲得でのメディアの報道が増幅器となる。メディアがオリンピックを重要なイベントとして報道することで、国民の間でナショナリズムが高揚する。特に、日本ではオリンピックの報道が、アメリカに比べて過剰のような気もする。アメリカではオリンピックの人気が日本では高いが、それでも日本のメディアのように大騒ぎしない。
これらの要因が組み合わさることで、オリンピックはナショナリズムを高揚させる重要な装置となっている。これには、批判もあるのだろうが、4年に一度は、若者の活躍を応援して、少しだけ国を意識することも悪くはない。