MLBでヘルメット広告解禁

by Shogo

広告というものは、人の目が集まるところであれば、どこでも広告の価値がある。ただし、どこに入れても良いというものでもない。だが、その判断をするのは、そのスペースやイベントの所有者の判断による。代表的なものは、オリンピックだ。オリンピックは、会場内はコマーシャル・フリーを宣言して一切の広告やブランドの表示を認めないう。例外は、会場内のディスプレイや時計の製造者表示だけだ。だが、パリ・オリンピックでは、ヴィトンのダミエ柄のトレイがメダル授与の際に使われて驚いた。

話が脱線したが、MLBが新たな収益源を求めてヘルメット広告を導入することが発表され、野球ファンの間で話題になっている。伝統的に、MLBではユニフォームなどは聖域だったが、それが徐々に破られて、ついにはヘルメットまで及んだ。

MLBでは、2024年のポストシーズンから、全チームの打者用ヘルメットに広告が掲載されることになった。MLBはドイツのアパレルメーカー「Strauss」と2027年までの契約を結び、同社のロゴとブランド名がヘルメットの両側に表示される。

広告のサイズは約12.7cm×2.3cmで、白字で「STRAUSS」の文字と同社のダチョウのロゴが赤い四角形の中に描かれる。赤いヘルメットの場合は別のカラーリングが使用されるという。

この決定には、批判的な意見としては、野球の伝統や美学を損なうという声が多いようだ。ヘルメットは野球において「聖域」のような存在であり、そこに広告を掲載することへの抵抗感は強いようだ。

また、MLBの経営陣が野球の特別性や独自性を軽視しているのではないかという懸念も多いようだ。野球には魅力的で面白さがあるにもかかわらず、それを活かすのではなく安易に広告収入に頼ろうとしているという批判だ。

一方で、MLBの立場からすれば新たな収益源の確保は重要な課題だろう。他のスポーツリーグでも同様の広告導入が進んでおり、MLBも時代の流れに乗る必要があるという見方もある。

実際、MLBではすでに2023年からユニフォームの袖に広告の掲載を認めており、現在30チーム中23チームが導入している。また、国際試合では2000年頃からヘルメット広告が使用されてきた。

確かに、広告によって視覚的な美しさが損なわれる面はありるかもしれない。しかし、MLBの立場からすれば、ピッチクロック導入のような革新的な取り組みと同様、ビジネス面での工夫も必要不可欠なのかもしれない。

日本のプロ野球でも、ユニフォームの広告が認められなかったが、セントラル・リーグでは2006年から、パシフィック・リーグでは2000年より可能となった。これにはヘルメットも含まれていた。MLBと違うのは、ホームかビジターで変わることだ。セ・リーグでは原則ホーム用のみで可能で、パ・リーグではビジター用にも広告が認められている。

結局のところ、野球の魅力そのものは変わらないという見方もできる。広告が入ったとしても、プレーの面白さや選手たちの活躍に変わりはない。要は、所有者が自らをどのように見るかというだけだ。ファンの多くは、広告が入るなどの、多少の変化があっても野球を愛し続けるだろう。

MLBには、伝統と革新のバランスを取りながら、ファンの期待に応え続けることが求められています。ヘルメット広告導入を機に、野球の本質的な魅力をより一層高める取り組みにも期待したいところです。

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