今シーズンから、メジャーリーグベースボールは、PitchComと呼ばれる、捕手と投手の間のサインのやりとりを電子化した。このバッテリー間のサインの交換は、同時に帽子に付いているイヤホンから3人の野手に伝えることができる。
これは2017年に発覚したヒューストン・アストロズによるサインの盗み読みに対するMLBの回答とも言える。ヒューストン・アストロズは、この年にワールドシリーズに優勝しているので、2019年のブラックソックスのスキャンダルに匹敵するほどの大きな騒ぎとなった。
PitchComによって電子的にバッテリー間でサインが交換できれば、誰も盗み読みできないと言う判断で採用されている。ただし、現時点ではPitchComの受信機の不調によりエラーが頻発しており、評判はあまり良くない。現にすべての球団がまだ採用しているわけでもない。
サッカーでは、ゴールラインテクノロジーとして、ホークアイ・イノベーションズムのホークアイ・システムを採用している。これは画像解析技術を使ってボールの位置を再現することができる。これにより、サッカーボールがゴールポストを超えたかどうかの判断に使われ、審判補助システムとして使われている。ホークアイ・システムは、他にも、クリケットやテニスで採用されており、人間の目では判断が難しい場合には、このシステムにより審判が判断をする。野球でもアメリカのマイナーリーグの一部ではレーザーによるストライクの判定システムが採用されている。このような電子的な技術がスポーツの中で使われるようになるのは避けられないことと思われる。
だが、MLBのPitchComは、テクノロジーを試合の中で採用したわけではない。単にバッテリー間の際のサインの交換のシステムに過ぎない。それでも、一部では野球にテクノロジーは不要と騒ぐ人も多いので、ストライクゾーンの判断にテクノロジーが使えるようになるのは当分先のことだろうと思われる。