「二流小説家」

by Shogo

「このミステリーがすごい」の一位に選ばれたということだけで読んだ。面白いのだが、ミステリーとしてはやや期待外れ。もう少しひねりが効いているかと思ったが、もう一度あるかと思ったどんでん返しがなかった。と言っても十分なプロットなのだが、これ以上も求めるのが病気かも。

プロット以外に楽しめるのがバラエティに富んだ登場人物。女子高校生の造型は、ありきたりだが、友人のゲイの花屋や弁護士助手、被害者の双子の妹などが面白い。個人的には舞台がニューヨークで、その描写が面白いので得点が高い。

一番面白いのが、主人公がたくさんのペンネームを使ってたくさんのジャンルの小説を書いていることと、その作品がストーリーに挟み込まれること。小説も興味深くて、もっと読みたくなるし、著者の写真を、本人が変装したり、友人や母親を使って作るあたりが面白い。

原題のSerialistは連載小説家ということだが、Serial killer連続殺人者を連想させる。そして最後に残るのがミステリーを読んだというよりは、青春小説、ってなんだ?、今で言えばライトノベルという感じなのだが、でも別にいやではない。凄惨な殺人のお話と銃の出てくる事件のお話なのに、主人公の独白がなぜか爽やかだ。

今日はまた早く起こされたが雨で、そとには出ていない。今週は予定がないので自宅でプリントかな。

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