SF二冊

by Shogo

SFを2冊読んだ。移動と通勤がなければ、寝る前の30分から1時間読むだけなので、なかなか進まない。今は通勤がないので、たまの移動の時に少し進むが、それ以外ではあまり読む時間がない。

娯楽で読む本は、たいてい「このミステリーがすごい」からミステリーを選ぶ。SFのこの2冊は、どちらも、ネットで話題になっていたからだ。

読んだのは、「Project Hail Mary」と「Anomaly」。どちらもSFと言うジャンルの小説になる。だが、少し違っていて「Project Hail Mary」は、かなりのハードSF、「Anomaly」の方は、SFの設定に借りた人間ドラマと言うことだろうか。

「Project Hail Mary」のAndy Weirは、マット・デイモンが主演した「The Martian火星の人」を書いた小説家だ。物語は主人公が不思議な部屋の中で目覚めたところから始まる。何の記憶もなく少しずつ記憶がよみがえってくる。この本を全くの予備知識なしで読んだので、だんだんわかってくるところが非常に良かった。この小説は、近年読んだ中でベスト。

この物語について、もっと書きたいところだが、少しでもネタバレをしたくないので何も書かない。ハードSFらしく、様々なことが、私には完全には理解できないが、科学的に論理的に説明されていく。それが正しいのか間違っているのかわからないが、読んでいて一応筋を通っている。小説に登場する突飛な設定や宇宙人も、科学的に論理的に考えればそのようになると言うことが反映されており非常に説得力が高い。

ストーリーの初めの何かわからない状況からの、フラッシュバックを使った展開や、その後のストーリーの意外性も面白く、隙間時間を利用してすぐに読んでしまった。

もう一方の「Anomaly」については、不思議な出来事が起こり、それに巻き込まれた人間たちの群像人間ドラマだ。こちらのほうも、そのそれぞれの人物の対応や感情がよく描かれており、非常に面白いドラマが展開する。だが、SFとして読んでいるので、その状況を説明する部分がなく、冒頭の出来事の謎も最後まで解明されない。だから、SF小説として読むと欲求不満。それでも小説としては充分面白く楽しめた。

読んだ2冊では、SF小説としては、圧倒的に「Project Hail Mary」に軍配が上がる。SFの部分を考えなければ、「Anomaly」も面白い。

「Project Hail Mary」の「Hail Mary」の言葉を調べてみると、「アベ・マリア」と言う事のようだ。だが、アメリカンフットボールでの試合の最後に運を天に任せて投げる、試合を決めるようなパスのことも指すらしい。それが、このタイトルの意味のようだ。運を天に任せる最後の望みというようなことだろうか。

この小説は、ライアン・ゴズリングの主演で映画化が決まっており、これはどうしても見たい映画になるだろう。公開日も発表されていないので、少し先になるのだろうか。

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