ここ数日、仕事で北京の金融街、Financial Districtに仕事で通っている。金融街は北京の中心から西の方向にある。中心が天安門として、私が普段生活しているのは東側、企業や外資系企業が集中しているエリア、CBD (Central Business District)も東側だ。天安門から西には、すぐ隣に中南海の官庁街、そのすぐ西に、若者の集まる繁華街、西単がある。そして金融街は、西単の西隣である。天安門のエリアから道がすいていれば20分。
二環路(第二環状高速道)の内側なので、旧市街つまり北京城の外城の内側に作られた街である。かつての北京、明朝・清朝の時代の北京は外城と内城に守られた街であった。その外城を壊して、跡地に建設されたのが二環路だそうだ。片側4車線の高速道路が建設できるほどの堅固な外城がかつて存在していた。外城の中は皇帝、皇族、貴族、官僚や軍隊の住む街だった。そういう街を、巨大なビルが建ち並ぶ金融街に作り替えてきたということだ。
金融街は写真では分からないが、銀行や保険などの会社の巨大なビルが建ち並ぶ、外資系のホテルのいくつも並んでいる。タクシーから先日の「小南国」やルイビトンの店も見えたりして、金融関係のビジネスマン向けの様々な商店、サービスも完備されているのだろう。ただし、夜になると真っ暗な寂しい街になってしまう。
そう遠くないエリアなのだが、私の普段の生活や仕事とはまったく縁のなりエリアだ。考えてみれば、私の北京は巨大な街のほんの一部で、群盲象を撫でるといった感じだ。そもそも北京市は巨大な市で、総面積は四国に匹敵する広さだそうだ。あるいは、南関東の東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城とも比べられるようだ。このうち北西部は山岳地帯で、人口は南東部のエリアに集中しているが、そのエリアですら東京都より広いのだ。
かつて北京市の都市計画が策定された時代に、金融が近い将来、中国でも市場として成熟していくことを見越して、天安門のすぐそばに建設されたのだろう。東の経済エリアと西の金融エリアというように近未来の北京の発展の道路マップをもとに建設された街だ。そして中国が生産基地からより経済的な脱皮を遂げつつある今、徐々に重要性を増しているのであろう。