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今回のワシントンDCへの旅行は時間がない中でいくつか懸案を解決した。そのひとつはフェルメールを見たこと。
ナショナル・ギャラリーで、10年ぶりに「天秤を持つ女」、「手紙を書く女」、「赤い帽子の女」とAttributed to Vermeerという注釈つきの「フルートを持つ女」を見た。 このうち、「赤い帽子の女」と注釈つきの「フルートを持つ女」は、どう見てもフェルメールの作品とは思えない。初期の習作と言ことかもしれないがあまりにも雑だ。フェルメールの最大の特長である光の表現がまったくと言っていいほど見ることができない。階調のないないベタ塗に近い。特に顔の表情がそうだ。作風に幅があるにせよ、力が衰えたり手を抜くことはあっても同一人物の作品には思えない。素人の感想などどうでもいいけれど。
やはり実物を見るとずいぶん印象が違う。作品の細部まで良く見られるから写真で見ていた時と違う発見がある。細かいところはいろいろあるが、「天秤を持つ女」も「手紙を書く女」も女性の表情がすばらしい。「天秤を持つ女」の穏やかな表情、「手紙を書く女」のこちらを見る目。まるでこちらに語りかけるようだ。本物の持つ強さかもしれない。
今回の旅行の収穫は、まず、フェルメール。次に、久しぶりにメリーランド・ブルー・フィン・クラブを食べたこと。10年ぶりに行った”Dancing Crab”も相変わらずだった。若いころはワインとビールでたくさん食べたものだが、今回はサイズがLのだけれど、3匹でお腹いっぱい。
帰りに、ワシントン・ダレス国際空港でビールを頼んだら、IDを見せろと言われた。注意してみていたら、他にIDを見せている人がいない気がした。久しぶりのワシントンDCに身も心も若返っていたのか?