FIFAワールドカップ2026大会は、カナダ・アメリカ・メキシコの三ヶ国開催となる。出場チームも48に増え、大きな大会となる。開催都市も16都市16会場だ。グループリーグが3チームか4チームかという話もあったが、今まで通り4チームで落ち着きそうだ。
この大会では、初めて開催都市は独自のスポンサーシップを販売することが許可されると言う話が出ている。ただし、大会に関係する公式マークやマスコットなどを知的所有権を共有するわけではなく、開催都市が独自のマークやロゴを作成するようだ。この話が、もし事実があればメガスポーツイベントの歴史にとっては画期的なことだ。FIFAワールドカップにしても、オリンピックにしても、ラグビーワールドカップにしても、すべての大会では、主催者であるIOCなどの国際統括団体が、すべてのスポンサーシップを一元的に管理している。そのスポンサーをいくつかのレベルに分けて権利内容もコントロールするのが一般的だ。しかし、開催都市の中でしか権利を行使できない、ローカルのスポンサーの可能性は今まで考えられたし、ニーズもあった。だが、国際統括団体のスポンサーシッププログラムを守るために一切許可されてこなかった。当然のことながら、権利は限定され、希少であるが故に価値があるからだ。その結果、国際統括団体のスポンサーシップは莫大な金額で売れる。
今回の話が事実であれば、開催のために多額の費用を負担しなければいけない開催都市にとって、開催に伴う費用を相殺することができ、またその開催都市のローカルのビジネスにとって大きな意味がある。もちろん、スポンサーシップのヒエラルキーで、開催都市スポンサーは、最下位に位置付けられて、上位と競合するような業種のスポンサーは認められない事は確実である。
スポーツイベントの巨大化のために、開催都市に配慮する必要が出てきたのだろうか。これが実現すれば、開催都市に立候補する大きなインセンティブになる。まだ、一部メディアで報道されただけなので、事実かどうかもわからないが、非常に良い傾向だ。
2026年は、北米が16の開催都市でサッカー一色になる。そして、2年前の2024年もアメリカはサッカーの国際大会を開催することとなった。南米サッカー連盟が主催するCONMEBOL Copa América(コパ・アメリカ)がアメリカで開催されることになったのだ。この大会は2016年のアメリカ開催大会と同様に南米サッカー連盟と北中米カリブ海サッカー連盟の両大陸連盟から16チームで争われる。2026年大会の関係者にとってはテスト大会となり大きな意味があるだろう。
アメリカはサッカー不毛の地と言われ、1994年のFIFAワールドカップ開催では、どのような大会になるか不安視されたが、大会は大成功した。プロリーグこそ存在しなかったが、草の根ではサッカーは根付いていたからだ。その後メジャーリーグサッカーが発足し、サッカーの人気が高まってきた。女子サッカーは以前より強かったが、男子も、最近は力をつけてきて、カタール大会では大活躍した。2024年のコパ・アメリカ、そして2026年のFIFAワールドカップでアメリカもサッカーの国になっていくのであろう。