Stanley Cupファイナル

by Shogo

アイスホッケーは、スピードが速く見ていて面白いので、アメリカにいた頃は何度か見に行った。だが、日本では1度も見たことがない。

ちょうど、Stanley Cupファイナルが行われていて、たまたまYouTubeでハイライト見た。今年の出場チームは、フロリダ・パンサーズとベガス・ゴールデン・ナイツだった。アメリカにいた頃には、ラスベガスにチームはなかった。調べてみると、アメリカにチームが増えて25チームなり、カナダの7チームと合わせて、NHL全体では32チームになっていた。

昔、NYで働いていた会社が、NHLコミッショナーオフィスの仕事をしていたので、一緒について行って日本でのビジネスの売り込みをした。その頃に、全チームのピンバッチを集めた額をもらった。まだ、どこかに持っているはずだが、はるかに少ないチームのバッチがついているのだろう。

1990年代初めには、ディズニーが、スポーツビジネスに進出して、MLBとNHLのチームの経営に乗り出し、野球とホッケーの映画を作った。野球は、アナハイム・エンジェルスで、今の大谷選手のチームで、ホッケーの方はマイティーダックス・オブ・アナハイムで、ドナルドダックがキャラクターになっていた。しかし、これはディズニーが数年で撤退したので、一時の盛り上がりだった。

話を戻すと、今年のStanley Cupファイナル第一試合は、TNT 、TBS、truTVで放送され、平均280万人の視聴者を集め、2002年のカロライナ・ハリケーンズとデトロイド・レッドウィングスの試合に次いで、2番目に多くの視聴率を獲得したそうだ。放送したTNTは、今はWarner Bros.Discovery傘下となって独占放送権を獲得した。メジャースポーツのファイナルをケーブル局が独占的に放送する初めてのケースだそうだ。放送権料は公表されていないが、かなりの金額になるものと思われる。

NHLは、昔は、もはや死語の「ヤッピー」のスポーツと言われた。NFL、 MLB、 NBAも含めて4大スポーツと言われていたが、フットボールや野球バスケットボールと違い、アイスホッケーは、アメリカでは、さほどなじみがないこともあり、観客動員数は少なかった。しかしながら、カナダでは当然大人気で、アメリカでも高学歴の若い世代に人気があり、マーケティングの手段としては効率的と考えられていた。

それは現在でも変わらないようだ。スポンサー・ユナイテッドのレポートによると、今シーズンのNHLのスポンサーシップ収入は、バーチャル広告ダッシュボードの導入やジャージの広告などの効果もあり、21%も増えて12億8000ドルに達したと言う。

レギュラーシーズンの視聴率も上昇して、ABCとESPNは昨年より22試合多い50試合を放送した。ABCのシーズンの平均視聴者数は100万人になり、昨年のシーズンに対して19%増加している。昔は存在しなかったサッカーのプロリーグのMLSが誕生して、スポーツの中でも競合があるが、NHLは、それなりに盛り上がっているようだ。

特に広告的には、バーチャル広告ボードが導入されたことが大きい。人工知能を使ってリンク周辺のダッシュボードに、視聴者の目が行く所に、バーチャル広告表示するものだ。導入後700社以上の広告主が契約をしたと言う。会場に実際に設置する広告と違い、デジタルで小額から購入できるために、様々な広告主がターゲットや地域に合わせて広告を購入したようだ。

スポーツのような地元にファンが偏在するようなコンテンツであれば、会場に広告を設置するよりも、バーチャル広告の方がよりターゲットに効率的に訴求できることから、MLBでもすでに使われている。NHLのバーチャル広告は、リンク周辺のどこにでも表示されることから、高い効果が期待される。このようなバーチャル広告は今後ますます採用が増えてくると思われる。

Stanley Cupファイナルは、現時点では、ゴールデン・ナイツが2勝して先行している。

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