PcWが世界の電気自動車の販売状況についての最新レポートを公開した。調査対象となった世界の14市場における総新規登録自動車に対してバッテリー式電気自動車は14.3%を占め、パンデミックや半導体不足による生産遅延があった2020年の4.1%や2021年の8.2%から大きな成長を見せている。この成長は、電気自動車への移行が急速に進んでいることを示しており、その背後には環境問題への意識の高まりや、各国政府の電気自動車推進政策が影響していると考えられる。
国別で見ると、ノルウェーが電気自動車の新規登録率で圧倒的に高い結果を示している。新規登録の79.3%が電気自動車だ。このシェアでは、数年以内にノルウェーではガソリン車を見ることがなくなり、ガソリンスタンドも消えていく可能性もあるほどだ。ノルウェーの電気自動車普及の背後には、政府の積極的な政策がある。ノルウェーは高額の自動車輸入税や登録税を課しているが、電気自動車については、これを免除し、電気自動車の価格を抑えることで、消費者の電気自動車への移行を促している。結果的にかなり高い補助金をだしていることになっているからだ。
2位はスウェーデンで32.1%、3位は中国で19.9%、4位はデンマークで17.7%、5位はイギリスで16.6%と続く。これらの国々もまた、電気自動車の普及を促進する政策を採用している。特に、中国は新規登録のシェアこそ19.9%だが、その市場規模の大きさから見ると、販売された電気自動車の数は圧倒的に多い。2022年の電気自動車の販売数は440万台に達し、これは政府の石油依存からの脱却を目指した政策の一環として、風力や太陽光エネルギーの生産とともに電気自動車の販売を積極的に進めている結果である。
6位以下は調査対象市場平均の14.3%以下となる。まず6位は、フランスの13.3%。ここから大きく落ち込んで、7位はアメリカの5.3%、8位がスペインの4.4%、9位がイタリアの3.7%、10位にやっと日本で、わずか1.4%。
日本の電気自動車の新規登録率はたった1.4%だ。しかし、日本の自動車メーカーは電気自動車の技術開発に力を入れているのは事実だが、他の国に比べると普及が進んでいないことは明白だ。
2021年の日本の自動車販売数は444万台なので、これとほぼ同じ台数の電気自動車が中国で売られている。中国は、巨大市場を持つゆえに、その製造のノーハウ等の蓄積が大きく世界の自動車産業をリードする可能性がある。また電気自動車はガソリンエンジンの自動車に比べると、製造が簡単なことから、中国では数多くの自動車会社が争って、それらの会社は、世界に市場を求めるのだろう。自動車を世界に売った日本の時代は終わってしまうのかもしれない。