生成AIツールと質の低い書籍の氾濫

by Shogo

生成AIツールの最大の利点は、大量の情報を迅速に処理し、それを基に新しいコンテンツを生成する能力にある。この技術の進化は、利用できるweb上のデータの増加とともに急速に進んでいる。ビジネスやマーケティングに用いるコンテンツ制作が、生成AIツールに簡単に行えるようになり多くのメリットや便益がもたらされているのは間違いない。

しかし、著作権の侵害やプライバシーの侵害、偏見や差別を助長する言説の生成など、多くの問題が潜在的に存在する。さらに、新たな問題も浮上してきた。

コンテンツ制作が簡単に生成されることで、質の低い書籍の販売が始まって、問題になっているようだ。例えば、旅行のガイドブックのようなジャンルでは、ウェブ上の記事を再利用したり、ストックフォトや画像生成AIツールを利用して、短時間でガイドブックを作成することが可能になった。

Amazon KDP (Kindle Direct Publishing) のようなサービスを利用すれば、生成されたガイドブックを電子書籍として瞬時に販売することができる。さらに、オンデマンド印刷のサービスを利用すれば、物理的な本としても出版が可能だ。実際、日本のAmazonでは、サイズが幅155ミリ・高さが229ミリのサイズのカラーの40ページのペーパーバックの本が1冊あたり475円で印刷できる。

このような容易さが、質の低い出版物の氾濫を引き起こしているとの指摘がある。生成AIツールによって作成されたと思われる本が、電子書籍や印刷物として出版され、市場に溢れているようだ。Amazonのレビューには、そのような批判が現れ始めている。

生成AIツールの利用により、質の低い出版物の粗製濫造が始まったことで、文化の質の低下を招く可能性があり、悪貨が良貨を駆逐する恐れが出てきた。読者としての選択が増える一方で、その選択をする際の判断に慎重にならなければいけない。

今後、本を購入する際には、その出版元が、編集者が内容を確認している既存の出版社なのか、オンデマンド印刷の本なのかを確認することが重要だ。また、消費者としては、購入する書籍の質をしっかりと確認し、情報の信頼性を確かめる必要がある。出版業界や関連団体も、生成AIツールによる出版物の品質管理やガイドラインの策定を検討することが求められる。だが、これは現実的には、表現の自由やビジネスの自由を考えると不可能で実現はできない。

生成AIツールの登場は、間違いなく情報の生成や共有に革命をもたらした。しかし、その利用には注意が必要だ。質の高い情報を、人間とAIツールの協働で創造して、それを共有する文化を築くことが、今後の課題だ。

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