大学生が真面目に勉強しないと叱ったりすることがあるが、なるべく回数を減らそうとしている。それは、考えてみると自分も彼らの歳の頃には勉強などせずに遊びまわっていたからだ。人を責められるほど勉強してこなかった。それは社会人になってからも同じで、遊びか、あるいは目先の仕事の事だけ考えていただけだった。怠惰な大学生が怠惰な社会人になった。それでも、学生に言っているのは、学んで考えることは、自分の人生を豊かにすると言うことだ。それが分かってきたのは、ずいぶん年老いて残りの時間を意識するようになってからのことだ。
学んでこなかったから、毎日のように新しいことに驚かされる。
今朝驚いたのは、宇宙には自由に動き回っている「自由浮遊惑星」と言うような星があることだ。惑星は太陽の周りを回って、安定した太陽系を構成しているものだと思っていた。アインシュタインが、神はサイコロを振らないと言ったのと同じように、決められたシステムが自然に出来上がっているというのが宇宙に対する理解だった。しかし、太陽に捉えられて、その周りを回るのでなく、自由に放浪する惑星が存在すると考えられてきたそうだ。このことについては全く知らなかった。彗星ですら一定の軌道をもっているということが、私の理解だったからだ。
過去の研究では天の川銀河には、30億もの、そのような放浪する惑星があると考えられていたそうだ。しかし、今朝読んだ記事によれば、NASAと大阪大学がその推定を兆の単位まで引き上げたと言う。しかも、その数は太陽の周りを回る惑星より6倍も多いという。その中に、地球と同じような大きさの惑星が少なくとも2つあることも発見している。
自由浮遊惑星は、大抵の場合は小さな惑星だそうだ。その理由は、新しく形成される星系の中で、2つの惑星がぶつかり合い、片方が完全に吹き飛ばされた時に、放浪惑星になるために、通常は小さな惑星が飛ばされるからだ。
今月の初めにも、小惑星が地球に近づいたと言うことがニュースになっていた。それは、惑星と言うよりは岩石のようなサイズだ。もし大型の放浪惑星が地球に近づいたら、どのようなことが起こるだろうか。しかもその数は兆だ。それは充分起こり得ることだろう。
記事を読んで、もう一つ面白いと思ったのは太陽を持たない放浪惑星は、太陽光による熱がなく、生命が存在しない可能性が高いと思ったらそうではないということだ。放浪惑星の大気が温室のように機能して内部からの熱を閉じ込めて、そこで生物を維持することができる可能性があると言うことだ。だから、いつの日か、そのような生命を持つ放浪惑星が地球のそばまで飛んできて、それがファースト・コンタクトになると想像した。人類が遠くの銀河まで旅行できるのはまだまだ先になるからだ。