ドルベースの日本の一人当たりGDPや一人当たり賃金が大幅に下落傾向にある。これには過去に比べれば、異常な円安と言う要因はあるにせよ、多分それも含めて、日本の経済的な実力が急速に失われていることを否定しようがない。
今朝見たブロードバンドの高速インターネットの国別スピードランキングでも同じようなことが起こっている。2022年には、このランキングで日本は台湾に次いで2位だった。しかしながら2022年から2023年にかけて多くの国がスピード上げたにもかかわらず、日本の進歩は他国に追いつけず、ランキングを8位まで下げた。これも日本の凋落の一つの表れであろう。
この高速インターネットスピードのランキングは、イギリスのcable.co.ukが発表したもので、台湾は昨年に続いて1位で153.51 bps。以下スピード省略すると2位にフランス、3位にオランダ、4位にスロバキア、5位にアメリカ、6位にカナダ、7位にスペイン、8位が日本で124.70 bps。台湾のスピードに比べると20パー近くも遅いと言うことになる。
様々なインフラが劣化していく中で、最も重要なインターネットのスピードが遅くなっているのは最も危険な兆候だ。インフラに投資するような余裕がなくなってきたのだろうか。
これは、政府が何も変えないから民間が動けないという、規制の問題も関係する。良い例がライドシェアだ。やはり今日のニュースによると、政府はライドシェアを認めるが、既存のタクシー会社の利権を守る方向で、海外にあるようなオープンなライドシェアは認められないようだ。
実家に帰ると、移動にタクシーを使わなければいけない。だが、タクシー会社に連絡をすると車がないので迎えに行けないということが度々起こる。タクシー運転手の高齢化とコロナ禍の打撃を受けて、タクシーの車あっても運転手がいないというのが現状のようだ。
このような状況で、移動のニーズは残るので、ライドシェアを認めれば、ライドシェアで働きたい人はたくさんいて、私のような移動手段を持たない人にとっても便利なはずだ。だが、これが制度としては認められない。今の議論では、認められるのはタクシー会社が運営するライドシェアだけで、ライドシェアの運転手も2種免許が必要だと言う議論もされているようだ。これでは全くライドシェアの意味をなしていない。
先日の旅行でもパリや南フランスでライドシェアを移動に利用していた。スーツケースのためにバスや電車に乗るのが面倒なので、2時間位かかるところもライドシェアで、それなりにリーズナブルには行けた。
パリなどでは、空港からタクシーには乗る。ライドシェアでは、迎えの車と会うのが面倒だからだ。最近のパリは、空港からは一律料金で、昔と違って「ぼられる」心配もない。だが、そのタクシーは、大抵は端末が壊れていて、クレジットカードでは払えないので、現金でくれと言うケースがほとんどだ。多分何らかの形で売り上げをごまかすニーズがあって、現金を要求するのだろう。この話そのものはライドシェアとは関係ないが、ライドシェアであればスマホ決済なので、現金は一切いらない。その意味でもライドシェアの方が圧倒的に便利だ。
海外では十数年前から始まっているライドシェアが、日本では今後も実現しないということは、新しいものに対する規制が大きく、新しいことが起きない国になっているということだ。この規制を守ろうとする政府の姿勢が、新しいサービスや新しい技術を生み出す阻害要因になっている。日本はこのまま政府の政策によって新しいことが何も始まらず、その結果、すべてのものが停滞していく国のままなのだろうか。