東京都庭園美術館にポスター展を見に行ってきた。東京都庭園美術館に行くのは、2018年3月に、再オープンして以来2回目。長期の休暇に入ったのは2011年だから10年前だ。それまでは、時々運動がてら家から自転車で写真を撮りに行っていた。
再オープンした頃は忙しかったので、やっと行ったのは昨年2020年夏だった。だから、10年ほど中に入った事はなかったのだが、当然のことながら修復であってリノベーションではないので、中の雰囲気は全く昔のまま。旧朝香宮の時代のアールデコのデザインは、内部におしゃれなデザインがされており、本当に素晴らしい建物だ。10年ぶりに、再オープンした昨年見て再認識した。
今回はポスター展のために、美しく装飾された壁が、展示のための仮設の壁の後ろに隠れておりちょっと残念。行くまでは、本館はそのままで、新館のほうにポスターが展示されているのだと思っていた。展覧会に興味があったから行ったのだが、また内部の写真も撮りたいと思っていた。しかしポスターの展示のために今回は本館内部の写真は許可されていなかった。
今回の展覧会のタイトルは「20世紀のポスター[図像と文字の風景]ビジュアルコミュニケーションは可能か?」。1910年代からの構成主義のポスターたくさん展示されている。主に文字と図形を使ったものがデザインが、驚くほど洗練されている。当時の写真製版や印刷の技術のために今のような写真を使った4色のポスターを作れなかったと言う事はあるが、却って強い印象残すポスターが多い。
カラー写真が実用化されたのは、1935年のコダクロームの発売以降だから、1910年代20年代には原始的なカラー写真しかなかった。だから写真が使われているポスターは数が少なく、当然写真はモノクロだ。
今となっては、写真が使われているポスターは古く見えるのに対して、タイポグラフィーのポスターは、今使われていても遜色ないような洗練されたデザインとなっている。カラー写真が使われるポスターが氾濫するなかで、100年前のポスターが新しく見える。
できればもう少し時間をかけて見たかったが、路駐のパーキングメーターが気になって1時間で切り上げて車に戻った。そのあとで、昔よく行った蕎麦屋「利庵」に寄って、そばを食べていたら、30年前以上前に開店したこの店が昔とあまり変わらない雰囲気なので驚くとともに嬉しかった。美味しいのも同じで、だし巻きも変わらなかった。