体重の判定に使うBMIについて、「BMIは詐欺か」という記事を読んだ。BMIは、Body Mass Indexの略ではボディマス指数と訳される。キログラムの体重を、身長のメートル換算の二乗で割って得られる数値だ。この数値が、18.5以下だと痩せすぎ、18.5から24.9が標準、25を超えて25.0から29.9が肥満、30以上が超肥満と判断される。
BMI自体は19世紀からあるもので、考案したのはベルギーの統計学者だそうだ。
それが一般的になったのは、1970年代に、保険会社が被保険者の死亡リスクを算定するために体重と身長の関係を使っていたことに対して、ミネソタの生理学者が、BMIにより、正確に体脂肪を測ることができるとして導入を進めた。それが、一般的に広まったと言うことだ。
しかし、BMIでは健康の判断にならないと多くの医者が主張しているという記事だ。BMIは、個人の健康の判断には使えないという意見だ。
それは、BMIでは、体重が脂肪なのか筋肉なのか骨なのかわからないからだ。筋肉が多いアスリートが、BMIが高いと言うことが起こる。
歳をとると筋肉や骨が減って腹部に脂肪がつく。これは健康に大きな影響を与えるが、BMIだけで見ていてもわからない。
アメリカで行われた2016年の調査で、BMIと、インシュリン耐性、 炎症、血圧、中性脂肪、コレステロール、血糖値などの詳しい健康の測定値を比べた。調査対象者が4万人の成人なので、正確な結果が得られる調査だ。アメリカだから、この調査対象者の約半分が肥満と診断された。しかし、その肥満と診断された人の25%は、代謝の調査では健康とみなされた。
だが、BMIで標準とみなされた体重の人の31%は代謝的には不健康だった。つまりBMIの数値だけ見ていても、その他の血液検査など行わないと健康か不健康かの判断はできないと言うことだ。
しかもBMIが考案されたときは、標準とされたのは白人の男性である。だから女性やその他の人種には適用するのはあまり適切ではないと言うことだ。
BMIは、正確に健康の判断の材料にはならないということがわかってきたので、腹囲を測ることが始まった。これにより腹部の内臓脂肪量がわかる。腹部の内臓脂肪が増加すると、糖尿病、高血圧、心臓病などのリスクが上昇するからだ。内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて病気のリスクを高めるということがわかっている。
20年ほど前から健康診断の特に腹囲を測って85センチを超えていると生活習慣病の疑いをかけられると言うことが始まった。
しかし、医者の意見によっては、腹囲も正確ではないという。やはり、血液検査が正確のようだ。
健康診断の時には、血糖値や中性脂肪を測っているから。腹囲を測っても、あまりそれ自体に意味もない。しかし、個人的にも普段体重を計る。これはこれで体の変化を知ると言うことでは意味がある。年に1度しか検査しないが、血液検査によって血糖値や中性脂肪、コレステロールの量を測っていくことが重要のようだ。血液検査だけ、年にもう一度してみるということも手かもしれない。