会社員時代の集まりに参加した。こういう会合も、4月以降はだんだん増えてきた。今までの自粛モードから、多くの人が外に出るようになってきた。良い傾向だ。行った店も、どの店も人が多かった。すでにワクチンを打っていると言う安心感を背後にはある。
確かに4月以降は、飛行機に乗っても新幹線に乗っても、隣に人がいることが多い。以前なら当たり前のことだが、この2年ほどはガラガラが状態が続いていたから、今は人が多いと落ち着かない。
昨日の集まりも、九州と東京から人が来た。会合といっても全員で9人の小さな集まりだが、少し前なら大人数の会食として非難されるような人数だ。
大抵こういう会合では、昔話が中心になる。それを聞いていていつも思うのは、1970年代から1980年代と言う時代は、元気な時代だったと言うことだ。いやむしろ時代が元気と言うよりも、元気な人が活躍した時代と言っていいのかもしれない。
多くの企業でも同じであるのかもしれないが、会社の中に社内ベンチャーと言うような新しいことを始める人がたくさんいた時代だ。しかし、いつの頃からか、そのような働き方をする人は組織からいなくなった。真面目できちんと仕事をするが、新しいことができないのだ。自分も含めて、人間が小粒化したと言って良い。
日本経済が成長し、会社も成長すると管理が厳しくなってくる。これはパーキンソンの法則の第一法則で説明されているが、仕事の量は完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する。これは管理部門にも同様に当てはまり、管理の仕事が膨張した結果、社内ルールが徹底されるようになっていく。このようなことが起こっていくのをずっと間近で見ていた。現場の裁量に任されていたことが、だんだんその裁量の幅が少なくなり最後にはなくなった。働いていた会社は、その間に株式上場を行ったためにこの管理は極限まで厳しくなった。
話は脱線したが、昔話からも、今であれば社内規定違反に問われるような問題のある行動が多かった。しかし、その結果として数多くの実績を残した。それまで誰も行わなかったような新しいビジネスを開発したり、今でも語り継がれるような事業やイベントを行った。ルールを破る背後の動機が正しいと、皆が信じていたから許されたのだろう。
そのような昔話を聞きながら、このようなことが起こっているのは、自分の周辺だけなのかと気になる。今では大企業と言われるような多くの企業も、戦後にベンチャーとして始まった企業がたくさんある。そのような企業は日本から始まって世界にビジネスを展開するようになっている。その会社でも、同じようにパワーのある人が組織を引っ張ったのだろう。残念なことにそのようなベンチャーは、この数十年日本では誕生していない。それが管理の問題なのか、日本人の人間としてのパワーの問題なのか。
70年代80年代のアレやコレを聴きながら、その時代に働いていた前職の会社の先輩たちの顔を思い出して、人間的に迫力があり魅力があったと素直に感じる。しかも不思議なことに、登場した人物の多くは80代後半から90代にかけてまだまだ元気にされていることにも驚いた。元気の良かった人は、歳をとっても元気でいるようだ。そこは見習いたいものだ。