ダブリンのフェルメール

by Shogo

仕事でダブリン。ロンドンの乗り換えも面倒で、さすがに少し疲れた。

タブリンといえば、フェルメールのある街だ。アイルランド国立美術館には、「手紙を書く女とメイド」がある。この絵は、貸し出される可能性が高いのか、比較的によく東京で見ている。

仕事も終わり、木曜日の夕方に時間があったので街の中心部の美術館に立ち寄れた。他の美術館でもあるように木曜日は8時まで開いていて、食事の約束の前に立ち寄れた。

「手紙を書く女とメイド」は前に東京で見ているが所蔵美術館で見る、完全コンプリートにまた一つ近づく。美術館は改築中で残念な感じだが仕方ない。

17世紀の最先端テクノロジーでる手紙が登場すると思われるフェルメールの作品は7作品ある。まず、「手紙を書く女とメイド」に特徴的なことは、手紙の7作品うちメイドのような女性が登場する3作品の一つだ。この作品では、手紙を書く女性と彼女を見守るメイドの表情や姿勢から物語を想像させる。それが、他の2作品と大きく違っている。メイドの表情は、彼女たちの関係性を微妙に示唆しているようだ。

この作品も、フェルメールの作品に特徴的な、自然光を通じた色彩の表現が顕著だ。窓から差し込む光が、室内の物体や人物の肌、衣服に落ち、温かみのある雰囲気を生み出している。特に青と黄色を巧みに使用し、画面に深みと静けさをもたらしている。

アイルランド国立美術館には、カラバッジョの「キリストの捕縛」もあり、静かな感じのフェルメールの後に、暴力的なコントラストのカラバッジョを楽しめた。「キアロスクーロ」技法による暗い背景に対して、キリストの顔や兵士たちの鎧が浮き上がるように描かれており、ダイナミズムを生み出している。登場人物の生き生きとした動きは、場面の緊張感を表現しているようだ。フェルメールの手紙を書く婦人と召使の静謐さと対極だ。

きつい仕事だったが、多少の収穫と言うか役得で満足。ダブリンは先週は寒かったらしいが比較的暖かい。

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