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西安の続き。朝食を食べた場所から1kmほど歩いて 興慶宮公園に着く。ここは唐の時代に皇帝の離宮があった場所だそうだ。ここに来た目的は、この公園にある阿倍仲麻呂記念碑を見ることである。
子供の頃から、百人一首の「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」はなじみがあり、阿倍仲麻呂の名前は知っていた。でもこの歌の意味がよく分からず、唐から故郷を懐かしみながら詠んだとは知らなかった。
現在の様に飛行機で2時半で北京に到着する時代ではなく、海を越えることは死を覚悟することであった時代には、西安から奈良は遠かっただろう。
北京に赴任した頃、月を見てこの歌を思い出したことがあった。あれは、きっとホームシックだったのだろう。