スターバックスの新店舗設計

by Shogo

スターバックスが新たな店舗設計を開始したようだ。ただ、これがアメリカ国内の話なのか、いつ日本にも展開されるのかはわからない。

スターバックスの売りは、「第三の場所」のコンセプトで、心地良いバックグラウンドミュージックとともに、友人や家族との会話を楽しむ時間だ。しかし、人気店ゆえに時には店内の喧騒がそれを邪魔してしまうこともある。この対策として、新たな店舗設計の導入を進めているようだ。特殊な天井処理技術を採用する。これは、店内の音を効果的に吸収し、バリスタと顧客とのコミュニケーションをはっきりとすることを狙っているという。

現在16,300を超える店舗数を有するスターバックスは、この10月に終わる年度末までに650の新店舗をオープンし、更に1,000店舗において改装を行う大規模な計画を進めている。改装される店舗では、静けさをもたらす天井の音響処理だけでなく、現代の消費者行動に対応した「目的別」の店舗設計へと変えてゆくという。例えば、よりエネルギー効率の良い小型のアイスキューブの採用、バリスタが冷蔵庫へ行くことなくミルクや氷を取り出せるディスペンサーの導入、アイスドリンクの作成に必要な機器を一か所に集約するなど、細部にわたる効率化を図る計画だそうだ。

また、新店舗ではドライブスルーの設置比率を高め、持ち帰り注文の需要に柔軟に応えられる体制を整える。店内でのんびりとコーヒーを楽しむ時間も大切にしつつ、あらゆる顧客に対応する戦略のようだ。この顧客のニーズに対応して、次世代の店舗モデルを創り上げ、長期的には20,000店舗へという壮大なビジョンを持っているという。

新しい天井処理とは、専門的に設計された音響バッフルのことで、これが店内の余分な騒音を吸収し、注文のコミュニケーションを明瞭にする。この技術は、音の反射を抑えることにより、注文時のミスを減らし、顧客体験を向上させる効果を期待されているそうだ。この天井がどのようなもので、どの程度効果があるのか見てみたい気もする。

全米での調査によると、レストラン業界全体でピックアップとドライブスルーの需要は急増しており、約半数の店舗がこのサービスを提供しているという。この流れを受けて、スターバックスは通常の店舗に加えて、ドライブスルーやピックアップのみを提供する専門店舗を新たに開発している。これらの店舗は特に、モバイルアプリを利用して事前に注文したお客様や、配達サービスを通じた注文に対応するために最適化されるという。これは、日本でも車社会の地方都市でも展開されてゆくのだろう。

アメリカでは、モバイルアプリによる注文は、現在の注文の30%を占めるまでに至っているという。驚くべき数字だ。この対応として、スターバックスはDoorDashとの提携を拡大した。DoorDashはオンデマンドフードデリバリーサービス運営企業で、日本ではWoltの名称で営業している。この提携により、自宅やオフィス、あるいは移動中でも、スターバックスのメニューを楽しむことができる。スターバックスの米国におけるデリバリー事業は前年比で約80%の成長を遂げており、これはDoorDashとの提携強化が大きく寄与しているそうだ。

日本でもWoltがスターバックスのメニューをデリバリーするようになるだろうか。ただ、日本はアメリカと違い、コンビニコーヒーの普及もあり、コーヒーデリバリーのニーズは低い。ただ、新しい天井処理が導入されて静かになるのは大歓迎だ。

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