毎日7,000歩

by Shogo

歩くことが健康に良いということは、どのような本でも力説されていることだ。だが、どの程度歩けば良いかは、研究によって違う。The Lancet Public Healthに掲載された大規模な研究では、毎日7,000歩で多くの健康上の効果があるとそうだ。

一般的には、1日1万歩が健康の目安として広く知られている。だが、この目標は、エビデンスに基づいたものではない。1日1万歩という数字は、1964年の東京オリンピックを機に日本で発売された歩数計「万歩計」のマーケティングキャンペーンに端を発しているそうだ。この数字が文脈を無視して一人歩きし、データの裏付けのないガイドラインとして広まったらしい。

しかし、今回のThe Lancet Public Healthの研究では、世界中の16万人以上の成人に関するデータを分析し、7,000歩がさまざまな深刻な健康問題のリスク低減と関連していることを明らかにしたそうだ。16万人以上というデータ規模から信頼性が高そうだ。

7,000歩で得られる効果

この研究によると、1日2,000歩の人と比較して、7,000歩を歩くことで以下のようなリスクが大幅に減少することがわかった。

  • 心血管疾患:25%減
  • 脳機能の向上
  • がんや認知症のリスク低減

心血管は分かり易いが、脳やがんの予防にも効果があるというのは、すごいことだ。歩けば歩くほど良いという意見もあるが、この研究では7,000歩を超えるとメリットが横ばいになる傾向があるという。ただし、心臓に関しては、それ以上歩くことでさらなる利点があるというデータがあるようだ。

世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、大人は週に少なくとも150分の中強度の有酸素運動、または75分の高強度の有酸素運動を行うことを推奨している。分かりにくいのは、この時間と歩数が別々になっていることだ。今回のような研究結果を元に、歩数の推奨値をガイドラインに追加してもらいたいものだ。

今回の研究結果は、健康のための目標設定に大きな意味を持つだろう。これまで「1万歩」というデータに基づかない目標が、科学的根拠に基づいた「7,000歩」という、より達成可能な目標に置き換わることで、より多くの人々がウォーキングを習慣化するきっかけとなる可能性があるだろう。

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