次々と新しいハードウェアをリリースするAmazonの新しい商品は、ロボットだ。Astroと名付けられたロボットは、4つの車輪のついた台に、スクリーンの顔が付いた犬のようなロボットだ。映像で動く姿を見ていると、その大きさから犬のイメージがぴったりする。
Sonyが初代のAiboを出したときに、すぐに買ったので、Astroにも興味が惹かれる。Aiboを買ったのも、ロボットを持つということに興味があったから、同じ理由だ。ただし、Astroは、あまりにもデザインが素っ気なくて可愛げがないところが欠点だ。
AmazonはAlexaを車輪に乗せたものは作らないと発表の際に言っているが、実際、AstroはスマートスピーカのEchoを車輪に乗せたようなイメージだ。価格が1,449.99ドルと言うことで、スマートスピーカーに比べると高いが。Sonyが22年前にAiboを発売した時は35万円だった。それを考えるとはるかに安い。しかも、家の平面図や家具などを記憶するホームマッピングの技術が使われているので、家の中をスムーズに移動できる。これ自体は、自動掃除機のルンバなどでも同じように機能が付いているので珍しくはないが当時のAiboにはついていなかった。
Amazonはたくさんのホーム・セキュリティーの商品を販売している。力を入れている領域のようだ。Astroもその一環でもある。Astroは、スマートスピーカーのようにアレクサの機能を利用して音楽や動画の再生や、ビデオ通話ができるだけではなく、ホーム・セキュリティーの役割を担うようだ。映像による家のライブの監視、煙や一酸化炭素の検知、ガラスの割れた音の検知など、家の中を動き回って異常を発見する警備ロボットと言う事のようだ。アメリカの大きな家であれば、この警備機能は役に立つのかもしれない。しかし我が家のような小さな家ではあまり意味がない。
Amazonは、様々なハードウエアやサービスの事業を開始して、うまくいかないと撤退を繰り返してきている。代表的な例はスマホのFIRE Phone。これは、今でも多くの人が大失敗と言うが、理由は個人的には知らない。iPhoneなどに比べると使い勝手が悪かったと言うことか。
また、Amazonが力を入れているホームセキュリティーの分野でも、すでに撤退したのか買えない商品がたくさんある。各種のセキュリティーデバイスやワイヤレスのドアベルなど様々な商品が販売されているが、半分程度は買えなくなっている。
Astroも、このホームセキュリティーの商品リストに入っている。Astro自体は、1,449.99ドルだが、ホームセキュリティーサービスの「Ring Protect Pro」の6ヶ月無料体験とセットにすると999.99ドルとかなり安くなる。ホームセキュリティーサービスを売りたいAmazonの目玉商品ということか。これからの販売でどのような成果が出るか、反応が楽しみだ。
ただ1つだけ確実なのは、Amazonの巨大なキャッシュフローを考えると、どんなプロジェクトの失敗も、大した影響がない。