脳は不思議な働きをする。散歩の途中で映像とともにStrange Daysと言う文字が浮かび上がった。映像は、「ブレードランナー」の最後の、お馬鹿な雰囲気で山の中をデッカーとレイチェルが走っていく直前、デッカーのアパートのエレベーターがしまったような後の雰囲気だ。「ブレードランナー」の中では出てこないシーンの様な感じがする。暗い路地と、映画の終わりに浮かび上がる様な、かなり薄いピンクの文字、Strange Days。
なぜこんな映像と言葉が浮かび上がったがわからなくて、ネットで調べてみると「Strange Days」と言う映画がある。見たのかもしれないが、覚えてはいない。確認のために見てみようとしたら、契約しているNetflixでもAmazon Prime Videoでもタイトルに入っていないようだ。近所のTSUTAYAがなくなって、映像配信になるデメリットはこれだ。
調べてみると、「Strange Days」は、1995年にアメリカで、1996年に日本で公開された映画だ。1996年にと言えば、2002年のFIFAワールドカップの招致活動をしていた頃で、とても映画館に行けるような状況ではなかった。だから見ていない可能性の方が高い。ネットでは予告編が見られるが、それを見てもあまりよく覚えていない。仮に見ていたとしても、25年も前なので覚えてないのかもしれない。
映画は、ジェームス・キャメロンの原作で、監督はキャメロンの元妻で、「ハートロッカー」でアカデミー監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー。
映画の舞台は、1999年12月31日のロサンゼルス。まさにY2Kの夜だ。アメリカでの映画の公開から4年後を舞台にしていた。やはり20世紀最後の夜として、その当時から注目されていたようである。
本稿の主旨から脱線だが、その夜は、Y2Kで何かが起こる可能性を想定して、夕方から2時ごろまでオフィスで過ごしていたことを思い出す。
出演しているのはレイフ・ファインズ、アンジェラ・バセット、ジュリエット・ルイス。ちょうど数日前に、ニューヨークタイムスの一面でジュリエット・ルイスが取り上げられていて、その記事を読んだ。しかしStrange Daysと言う言葉が思い浮かんだのは、ジュリエット・ルイスとは関係ないと思う。そもそも「Strange Days」と言う映画をよく知らないし、当然ジュリエット・ルイスが出ていることを知らなかったからだ。
映画は、Wikipediaによれば4,000万ドルをかけて800万ドルしか稼がなかった、大コケだったようだ。だから忙しかっただけではなく、あまり話題になってないかために見ていない可能性の方が高いと思う。
それでも、デッカーのアパートの外と勝手に想像する暗い路地とそこに浮かび上がるStrange Daysと言うかなり薄いピンク文字の印象は強く、この心象風景の直接のきっかけが何かあるはずだ。
しかし、いくら考えても何も思い付かない。そのようなイメージを文字も含めて何も無いところから作り出す能力は無いはずだ。
どこにも向かわないこのイメージをどうしたものかと考えながら2日ほど過ごしている。