北京は、花の多い街だ。公園や街の中にも花が溢れている。高速道路の脇や中央分離帯にバラや色々な花が咲いている。いつも不思議なのは、高速道路の立体になる場所の道路の両側の塀の上にプランターが取り付けられていて、花が咲いている。そこまで花で飾らなくてもと思ったり、水やりの心配までしてしまう。この高速道路のプランターは上海でも見かけるので中国の人は好きなのかもしれない。
5月に花が咲き乱れて、色々な花を街で見かけると心が明るくなる。花の役割は色々あるのだろうが、人間の心理に与える影響が最大だろう。もちろん種を取ったり、蜜をとったり重要な機能を果たしているのだが、私たちの心を明るくすることが最大の効果だろう。
古代人が初めて花を見た時にどう感じただろう。 色の違う、形の違う葉と思ったのだろうか。名前は何と呼ぼうとも、その形や香りに感じるものがあり、その植物を保存し、育て、目を楽しませたのだろう。やがて新種改良を通じて、より好ましい花が作られて、私たちは多くの花に囲まれている。
植物の種に刻まれた花という本能は、日本であれ、中国であれどこであれ、花を咲かせ実をつける。空に国境が無いように花にも国境はない。持って生まれた本能や機能を実現させているのだ。日光や水といった最低の条件が必要だが、それさえあれば、植物は花を咲かせる力を持っている。
家から遠く離れた街を歩きながら、花の持つそんな力を感じている。
今日の花は、この1ヶ月ほどに公園や道路脇で撮ったもの。あちこちが花で飾られてきれいだが、きっとお金もかかっているだろう。これに関しては力を入れているように見える。
ひとつ嫌いなのは、冬の間や花の無い時期に、道路脇のプランターなどに造花が飾られていること。造花は必要ないと思うが、それでもあったほうが良いと思うのが中国の人のようだ。