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大晦日で今年を振り返ると、色々な事があった年だと思う。
他のことは別にして、写真では、今年観た展示で印象に残っているのは、まずマリオ・ジャコメリ、それから森山大道、そして最近観たジョセフ・クーデルカ。
どの展示も回顧展ともいうべき大規模な展示で、亡くなったジャコメリはもちろん他の二人の作家も現時点までのほとんどの作品が網羅されているようだった。特に多作の大道は知らない作品がたくさんあって、すごい迫力だった。ロンドンテート・モダンでの展示だったが驚いたのは、その混雑。かなり広い展示に人が溢れていてロンドンでの森山大道の人気の高さをうかがわせた。
先日のクーデルカで思ったが日本では写真展は人気がないようだ。それは写真とは写っている対象を見るもので作品を見るものではないからだと思う。ロンドンで見たサルガドの写真展は日本でもきっと人気があるだろう。なにせ写っているものが尋常ではない。
ことしも写真をたくさん撮ったが、何も明確な対象が写っていない写真ばかりで、きっと来年も同じだと思うが、たまには気分を変えて人物でも撮ってみようか。
三つの展示を通して言えるのは人が写っている写真は意味が強そうだということ。でも好きなのは人が写っていない写真だということも事実。やっぱり撮る時は何でも撮ってみるということかもしれない。