FIFA W杯カタール大会への反感

by Shogo

いよいよ、FIFAワールドカップが今日の真夜中すぎの1時から開幕。オープニングゲームはカタールとエクアドルの対戦だ。

今朝は各紙ともカタールの様々な問題について記事を載せている。全てが批判の記事だ。招致成功の買収から始まって、カタールのLGBYQ+ などの人権侵害問題、スタジアムなどの建設工事に伴う7千人ほどと言われる労働者の死亡問題など、キリがない。特に、NYTは、カタールがサッカーを永遠に変えてしまったとかなり批判的な記事を書いている。

その記事は、当時のFIFA副会長で、UEFA会長のミシェル・プラティニが、2010年に、フランス大統領府エルゼ宮で当時のサルコジフランス仏大統領とカタールの首相そして当時皇太子で現在のタミム首長と昼食をとるところから始まる。

この昼食前までは、プラティニはカタールでの開催に反対の立場をとっていた。しかしながら、この会議の後で、プラティニは立場を変えてカタールに投票している。同じように、カタールに投票したFIFA理事会のメンバーのほとんどは、買収で逮捕された数人を含めて、FIFAあるいはサッカーから永久追放になっている。プラティニは、買収については起訴されていない。

当時は立候補していた日本やアメリカを含めて、世界の誰もがカタールに決まるとは思っていなかった。記事の中では、最終候補国の現地調査レポートが提出されたが、24人の理事会メンバーの1人を除いて、誰も興味を示さなかったと、調査団のリーダーがインタビューに答えている。つまり、検討する前に決まっていたということだ。

2010年のエルゼ宮での昼食会では、サルコジ大統領が応援しているパリ・サンジェルマンの話題も出ていたそうだ。その後、カタールの投資会社は、パリ・サンジェルマンを買収し、巨額の資金を投入して、ネイマールやムパペを獲得した。この獲得は、サッカー界のバランスを大きく変えた。ネイマールの引き抜きは、名門のバルセロナを大きく変え、ついには、破産の淵まで追い込んだ。その結果、バルセロナを愛したメッシは、涙を流しながら移籍するしかなかった。そして、その移籍先は皮肉なことで、かつ必然のパリ・サンジェルマンだ。

カタールがサッカー界で行ったのはパリ・サンジェルマンの買収だけではない。カタールの投資会社は、現在放送権事業で有力企業となっているbeINスポーツを設立してフランスのサンジェルマンを含めたフランスのサッカー放送権を全世界に販売することにより、フランスサッカー界に多くの利益をもたらしている。

その昼食会は、サッカー界に影響与えただけではなく、2015年には、カタールはフランスから戦闘機を約8000億円で購入しているということにもつながっているという報道もある。

また従来はサッカーのオフシーズンの6月7月で行われていたワールドカップが11月に行われるなったのも、カタールの金の力だ。カタールが、ワールドカップに出場する選手の出場料を高額に引き上げて、11月開催を反対する有力クラブを黙らせたからだ。

カタール大会での異例の出来事は枚挙に暇がない。今年の8月になって大会スケジュールを1日前倒しするようなことも行われたりし、この数日前にはワールドカップ では恒例のバドワイザービールの会場での販売が中止された。ファンゾーンの1部では時間を限定してビールを飲めるようだが、会場では一切アルコール飲料は飲めない。

通常の国際スポーツ大会では、大会スポンサーとの契約で、このようなことが行われる事は無い。スポンサーを優先しなければいけないと言うことではなく、スポンサー契約に含まれていることをFIFAも組織委員会も履行しなければいけないからだ。それが契約の意味で、普通はこのような事はありえない。当然FIFAは慎重に慎重を重ねて、スポンサーや放送局の要望が必ずローカル組織委員会が遵守しなければいけないような契約で縛っている。カタールにとっては、そのような契約は無意味のようだ。

サッカーを愛する人にとっては、サッカーが、金の力を使って、人権侵害や人種差別を正当化するようなことに使われていることに大きな不満がある。その意味で、カタールがサッカーを変えてしまったと言う事はわからないでもない。

ボイコットやアンチの報道にもかかわらず、大会が始めれば。サッカーの1ヶ月が始まる事は間違いない。それほど、愛されるサッカーが、一国によるソフトパワーの武器にされていることは残念なことだ。

日本の初戦は11月23日22時の対ドイツ戦だ。メキシコとドイツが入るグループで、ノックアウトステージに進めるかどうか。大きな番狂わせを期待するしかない。

各紙のカタール大会関連の記事を読んでいるときに、うるう秒の廃止が正式に設定されたと言う記事もあった。2035年には正式にうるう秒が廃止され、その60年の歴史が閉じられそうだ。これは、ネットワーク社会では避けられないことだ。合理的な決着されてよかった。

昨日の土曜日は天気が良かったので、どこかに行こうかと思ったが、近所のギャラリーを覗いて、新宿へ買い物行っただけで終わってしまった。夜に行こうと思ったレストランは予約がいっぱいと言うことで残念ながらお預けになった。

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