国連の発表によれば、11月15日に世界の人口が80億人を超えたそうだ。80億人と言う数字は、1950年の人口の3倍以上となる。今後もこの人口の増大は続き、2059年までには人口は100億人を超える予想されている。しかしこの人口の増加も21世紀の終わりまでで、世紀末には減少に向かうという。
この人口の増加の要因は、ヘルスケア、栄養、医学の発達によって平均寿命が伸びていることが理由だそうだ。また、一部の国では出生率が減少していないことも要因である。
2022年で人口が多い国は、中国の14億1000万人、インドも同じく14億1000万人、アメリカが3億3300万人と言うことだ。インドは近い将来人口が最も多い国となると言われてきたが、2022年段階では中国と並んでいる。
大陸別の人口では、59.3%がアジアに住んでいるほぼ6割がアジアと言うことだ。これが、今後もう少しシェアをあげるのだろう。
現時点では、年間の人口増加人数は8,240万人で、2021年に最も人口が増えた国は、シリア、ニジェール、赤道ギニアであった。アフリカの各国は、全体的に人口の増加数が多く、反対に人口の減少率が高い国は、日本を含めた先進国である。
ちょうど50年前の1972年にローマクラブが「成長の限界」を発表して、当時の人口の増加が続けば、100年以内に食料問題や環境汚染等のために地球は成長の限界に達すると警告した。このときの予想は現実しつつあり、急速な産業化や森林の減少などにより温暖化ガスの排出が増加して、環境の悪化は進んでいる。世界各地で起こる激しい嵐や干ばつと言う異常気象はその結果である。
ローマクラブが予測した食糧危機は起こっていない。農業技術や加工技術が進んだためなのだろうか。それでも、地球環境を考えると、現時点で既に成長の限界に足している事は事実だ。国連の予測の37年後の100億人の人口を果たして地球は支えられるであろうか。
先進国における少子高齢化と、アフリカの一部の国での急速な人口の増加は、今後環境だけではなく、社会経済的な課題が増えてゆくだろう。1番簡単なのは、それらの国々から移民として増加する人口を、日本を含めた先進国が受け入れることだ。だが、日本はそのような大規模の移民を受けると言う意識は無い。ヨーロッパ各国でも移民に対しては反対の立場をとる政党が支持を集めつつあり、移民による人口の平準化と言うのは難しそうだ。今後地球には人口が減少する老いた先進国と人口が増加する若い発展途上国が偏在することになる。
国の単位としてはそうなるが、現実にはヨーロッパ各国では、今までの移民の人口は各国で大きな割合を占めている。移民大国のアメリカでは、近い将来には白人の人口は少数派に転落すると言われている。このような人口増加による、人種・宗教の動態変化が世界各国でどのような政治的な変化を起こすのか現時点では、混乱を予想することしかできない。つまり問題は、単に環境的・経済的な課題にとどまらないということだ。
環境的・経済的な課題だけでも、日本でも20世紀に起きたように、急増する人口に対してインフラ整備が追いつかず、環境破壊や生活環境の悪化が予測される。そのようなことが、いまだに国としてよりも部族間の対立が続くアフリカで起きた場合にどのようなことになるのかと不安になる。急速な人口増加に対応するためのエネルギー消費による地球環境の悪化の問題に対応しなければいけない。その意味で、急増する人口に対応するための援助が、世界各国に求められる事は間違いない。それが政治的な不安定化への抑止力にも繋がる。
コスタリカに負けてしまったので、気分的には多少盛り上りに欠けるが、引き続きワールドカップ観戦中。今朝はロナウドのワールドカップ9得点目と思われるヘッドを見たが、後に映像判定でロナウドのヘッドではなくなった。マラドーナの神の手の時代は遠く過ぎ去ったようだ。