遺伝子組み換えの樹木の植林

by Shogo

遺伝子組み換えの樹木が、アメリカ・ジョージア州で植林されているようだ。遺伝子組み換え樹木と聞いて最初は驚いたが、考えてみれば、様々な植物の遺伝子組み換えが既に行われており、反対意見は多いものの、食品としても収穫されている。樹木がなかったのがおかしいくらいだ。読んだ記事によると、1994年に遺伝子組み換えトマトが新しい産業となり、それ以降へ様々な植物に対して遺伝子組み換えの技術が使われている。

ジョージア州で行われている遺伝子組み換え樹木はポプラで、森林を短い時間で育て、二酸化炭素の吸収を促進するとともに、通常は50から60年かかる木材の収穫の時間を半分にすることを意図としているようだ。

現時点では、この事業の主体である「リビング・カーボン」と言うベンチャー企業が所有する土地に植林されている。

このリビング・カーボンの共同CEOは、話題のオープンAIでChatGPTに関わっていた女性だそうだ。そのためにベンチャーキャピタルとともに、オープンAIのサム・アルトマンなどもこのベンチャー企業に投資をしていると言う。

リビング・カーボンの事業の目的は、温暖化ガスの問題に取り組むためだそうだ。それを経済的に成り立たせるために、木材の早い収穫と樹木が吸収する二酸化炭素のクレジット販売する事業を計画している。

しかし、これに反対する環境保護団体も多く、この事業が今後どうなるかまだわからない。また、連保政府もエコテロ防止法(という遺伝子組換えへの制限の法律があるようだ)で、遺伝子組換え植物を厳しく制限している。しかし、リビング・カーボンの今回の植林は制限の穴をついて行っているようだ。通常は、遺伝子組換え植物については、何年もかかる審査を受けないければならない。リビング・カーボンはそこをうまくすり抜けているという。

ただし、現時点でまではリビング・カーボンが開発した遺伝子組み換えのポプラは、実験室の中での生育しか行っていない。このために遺伝学者などは自然環境の中ではどのように育つかへまだわからないとしている。

リビング・カーボンは、環境に及ぼす影響を考えて、ポプラの雌株だけを植林している。さらに、リスクを軽減するために、他の種類の樹木の栽培も同じ地点で行うようだ。この雌株だけを植林すると言うあたりを読んで、ジュラシックパークを思い出した。ジュラシックパークでも遺伝子操作で作られた恐竜は雌だけだった。しかし、欠けている遺伝子を補うために使われた生物が蛙だったために、その蛙の遺伝子をもとに雄が生まれ、交配が始まって、多くの恐竜が誕生したと言う設定になっていた。この際に使われた言葉は、「自然は道を見つける」と言うものだったと記憶している。

今回のジョージアで植えられた遺伝子組み換えのポプラが、どのような影響を生態系に与えるかは現時点でわからない。今は、遺伝子組み換え樹木が大量に育成されているのは、中国だけだそうだ。

このような遺伝子組み換えの植物が増えることで、地球の生態系がどのような影響受けるのか、誰もわかっていない。いや、わからないと言うのは、無責任な考えから出る言葉である。遺伝子組み換えの植物が1000年後、2000年後に、どのように進化・突然変異して、地球の生態系に何らかの影響与えるのか誰もわかっていない。何らかの影響がでるのは確実だろう。考えてみれば怖いものだ。しかし誰も1000年後、2000年後の事など心配していないのだろう。

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