二酸化炭素排出量と恐竜の進化

by Shogo

恐竜についての記事を読んだ。単に歴史的な興味で読んだだけだが、その内容は今の地球にも関係する恐ろしい内容だった。

恐竜の絶滅の理由は、隕石の落下や火山の噴火とされてきている。6,500年前の事だから研究者も証拠を集めるのに大変であろう。人類が誕生したのは500万年前とされているから途方もない昔の話だ。

恐竜の絶滅の原因が、隕石か火山かの犯人はまだ確定していない。今回発表された研究によれば、火山は恐竜を絶滅させたかどうかわからないが、火山により、恐竜が地上を支配するきっかけになったようだ。

2億5,000年前に始まった三畳紀に、地球は大きな環境の変化の時期を迎えていた。この時期に多くの生物が絶滅した。同じ頃に、恐竜が地上に現れ、その後、進化して種類も増え地上の支配者になった。

三畳紀に進化した恐竜は、最初は痩せたトカゲのような形をした生物だったという。だが、恐竜は進化し続け、映画で見るようなティラノサウルスやトリケラトプスのような巨大な恐竜にまで進化していった。

恐竜の時代は、三畳紀から白亜紀まで続く。白亜紀は、1億4,500万年前から6,550年前までだ。白亜紀と三畳紀の間がジュラ紀である。映画のジュラシックパークはこのジュラ紀から来ている。

三畳紀の恐竜の種族の誕生から、巨大に進化したティラノサウルスのような恐竜が、地球を支配していた期間は約2億年と言うことになる。2億年もの時間があると、痩せたトカゲのような生き物が巨大なティラノサウルスまで進化することができるのだなと感動する。

今回の研究では、この恐竜の進化の原因を三畳紀にあったカーニアン多雨事象と言う地球の高温・多湿・多雨の期間に求めている。この期間は、2億3,400年前から2億3,200万年前までの200万年続いたことになる。200万年もの長い間、地球は温室の中の大嵐の中にいたような状況だったようだ。

この原因は、火山活動だ。それにより二酸化炭素が増えて、地球の炭素循環が変化して、温暖化とそれに伴う大雨の期間になったようだ。

この期間に、高温・多湿・多雨の環境変化に適応できなかった多くの植物や動物は絶滅した。大小様々な動物が絶滅したため、生き残った恐竜にとっては、自らの進化のために最適な環境が整ったと言える

面白いと思ったのは、この期間の生態系は現在の基盤になっていると言うことだ。恐竜は進化して巨大化していったが、同時に今も生き続ける哺乳類や爬虫類も、同時にこの期間に進化し続けた。それが、今の地球の生態系に繋がっている。

カーニアン多雨事象を引き起こした火山活動は、地球で起こった同様の火山活動に比べると圧倒的に大きなものだったと言う。しかし、研究者の次の言葉に非常に驚いた。「カーニアン多雨事象の二酸化炭素の排出は、現在の二酸化炭素の最初に比べれば、ごく僅かだった」というのだ。

整理すると、今から2億3,400年前に、大きな火山の噴火があり、大量の二酸化炭素が排出され、その結果地球の環境は、高温・多湿・多雨の、それまでとはまるで違ったものに変わってしまった。しかも、その状況は200万年続いた。そしてその原因は、火山による二酸化炭素の排出だが、その規模は今の人類の排出する二酸化炭素に比べればごくわずかだった。

この記事を読んで思ったのは、地球の生態系はバランスの上に成り立っており、火山の噴火のような出来事はその生態系に大きな影響与え、その結果として、地球上の生物の絶滅や誕生を起こしてきた。現在、私たちが直面する地球の温暖化の根本的な解決をしない限り、また別のカーニアン多雨事象が発生して何百年も続く可能性がある。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!