今朝の新聞で目についたのは、ソニーの自動車事業だ。以前より参入計画を発表していたが、事業化の本格検討を始めると表明したと言う。ソニーは、すでに2020年に試作車を発表している。特に外観からは特徴が分からないが、スマートな車である。今年の春から新会社を設立して事業化に踏み切るようだ。
日経によれば、世界の燃料電池車を含むEVの市場は7兆ドル(810兆円)と見込まれており、この市場に向けて、ソニーも含めて異業種からの参入が多い。
だが、参入前に開発を断念した企業も多い。Googleは2016年に自動運転車の開発から撤退している。ダイソンも開発計画を発表したが既に計画そのものを中止している。
一時は、異業種参入の目玉と考えられていたAppleは、まだ引き続き開発中だと言う。しかし報道によれば、主要な幹部の退職が相次いで計画自体が遅れているとみられている。今後は莫大な資本力を使って、買収や提携で突破してゆくのか、どのような計画を立てているのか注目される。
台湾のホンハイや中国の百度も参入を準備中だと言う。電気自動車は開発というより、モーターなどのモジュール化した部品の組み立てになる。この点で、内燃機関のエンジンの製造と大きく違う。PCなどで証明されているように、中国や台湾の企業の強みが生かされるのかもしれない。
新規参入で最も進んでいるのはアメリカのリビアンで、すでに完成車の納入を2021年7月に果たした。リビアンは、2009年に設立され、SUVやビックアップトラックの会社だ。Amazonとデリバリートラックの10万台の契約を交わしており、注目されている自動車会社だ。
リビアンは、2021年11月には上場を果たした。その株式は人気を集め一時はテスラとトヨタに次ぐ三位まで時価総額を上げた。その後、株価は落ち着いているが、それでも時価総額で8位の自動車会社である。
ソニーの自動車会社も、市場としては有望な市場であるが、トヨタをはじめとする既存の自動車会社や異業種からの参入企業が多い中で、どのような強みを持って戦っていくのか。現時点ではまだソニーの自動車についての情報がないために判断がつかない。
新規参入組としては有望と思われていたAppleがもたついているうちに、早く実車に近い車両発表して、リビアンのように納車まで行ってもらいたいものだ。ただし、ソニーの今までの電機事業のように、ネットで売って終わりではなく、整備・サービス体制やディーラー網の構築など解決すべき問題も多く、そう一朝一夕ではいかないかもしれない。