もう一度行きたい肇興 #5

by Shogo

例によって休みの朝は、早いエルは暗いうちからがりがりと寝室の戸を引っ掻く。なので早く起きてコーヒーを飲んで散歩に。朝の空気は冷たくて空も青く澄んでいる。朝帰りの若者たちが駅に向かう。早起きの老人は犬を連れて、とぼとぼと。酔っぱらいの若者たちは元気よく。

このところ疲れがたまったようなので、のんびりしたいが朝は早いし、用もある。 だが、今日はプリントはやめて、ギャラリーにでも行ってみようか。

肇興のメインの通りは歩いても10分くらいで突き抜ける。田舎の道にしては、定期バスも車も通り抜ける。交通の要所のようだ。多分、谷の下の道だから、他にう回路もないのだろう。 でも、時折通るトラックや新しい車以外は、木造の建物と地元の人ばかりで古い生活を感じさせる。車が通らなければ、タイムスリップしたような感じがする。

肇興は五つの村が集まってできたそうだ。しかし、確かに鼓楼も五つあるが、みんな至近距離。先に書いたように端から端まで歩いても10分足らず。どうして、ここに五つの村があったのだろうか。五つの村と言うよりは五つの一族が、それぞれ鼓楼を建てて暮らしていたのではないのか。

この項続く

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